三木谷氏が金融所得課税に怒り – 藤沢数希

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 中国の恒大集団が破綻寸前であったり、原油や天然ガスの価格が暴騰していることなど、世界的に株価が下落しており、筆者はすべてが岸田首相のせいではないと考えているが、最近の日本株式市場の急落を「岸田ショック」と称して、岸田首相を非難する声が市場関係者の間で高まっている。

 筆者のTwitterのタイムラインを見ると、金融関係者や個人投資家、また起業家たちが、いつも岸田首相の悪口を言っているのを目にする。言うまでもなく、岸田総理による金融所得課税強化をやめさせよう、という意図がある。

★1億円を超える高額所得者は税負担率がかえって下がる、というミスリーディングなグラフが連日のようにテレビで報道され、国民の間に金融所得課税強化はやむなしという民意が醸成されようとしている。

 楽天の三木谷社長などは、(岸田首相は)全く資本主義が理解できていない、と怒り心頭だ。

★三木谷氏が怒りの声を挙げている。

 筆者自身もまた、貯蓄から投資へ、というこれまでの目標に水を差すことになる、こうした金融所得課税強化は、長い目で見れば日本経済のためによくない、と考えている。一方で、国民感情としては、このような金持ちが税金を(優遇された定率の分離課税で)逃れているのは許せない、ということは理解できなくはない。皮肉なことだが、三木谷氏のような金持ちが怒れば怒るほど、国民はあの誤解を招くグラフは正しいのだ、と思ってしまうだろう。

 コロナ禍で大盤振る舞いのバラマキを続けてきたのだから、それらは今後の増税で帳尻を合わせなければいけない。広く国民から増税するというのに、株式投資家や起業家のためにそこは20%の分離課税のまま、というのもさすがに無理があるだろう。まずは25%ぐらいの分離課税を落とし所として、三木谷氏のような富豪は、せめて他の所得と合算される総合課税(その場合は最高税率が55%に達する)だけは免れるように折衝したほうがいいだろう。

 所信表明演説から「改革」という言葉が消え、これから新しい資本主義という名の下で、中国の共同富裕と同じく、社会主義的な政策に日本がシフトしていくことが危惧される。

●株価「岸田ショック」の真相 投資家、改革後退を警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD065BT0W1A001C2000000/

●首相演説「分配」12回言及、「改革」消える ことば分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA075CU0X01C21A0000000/

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