新型コロナのデルタ株がワクチンの有効性を大幅に下げていることが確認される

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐために、各社が提供するワクチンが世界中で接種されています。しかし、非常に感染性が高いデルタ株の発生・拡散も報告されています。このデルタ株が観測され始めた時期を含めた、ワクチン接種状況と感染・死亡率の調査結果が、アメリカ・公衆衛生研究所により発表されました。

SARS-CoV-2 vaccine protection and deaths among US veterans during 2021
https://doi.org/10.1126/science.abm0620

研究チームは、アメリカ・退役軍人保健局に登録された78万225人の退役軍人を対象に、2021年2月1日から2021年10月1日までの期間に搾って調査を行いました。この期間中、WHOはデルタ株を「VOC(Variant of Concern、懸念される変異株)」と指定し、感染拡大への注意を呼びかけ始めていました。

調査によると、デルタ株の感染拡大によりワクチンの有効性が全体的に低下。ワクチンの種別に見ると、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J製)が86.4%から13.1%、モデルナ製が89.2%から58.0%、ファイザー製が86.9%から43.3%に有効性が低下していたとのこと。この結果は、年齢、性別、慢性疾患の有無に関係なく同じでした。


また、死亡リスクは年齢や疾患に関係なく、ワクチン未接種の人々で最も高かったと報告されています。ワクチン種別の死亡リスクに関する有効性は、7月から10月までの期間中65歳未満の人で、J&J製が73.0%、モデルナ製が81.5%、ファイザー製が84.3%でした。

これに加え、ワクチンの接種を完了した人が感染する「ブレークスルー感染」についても報告されています。全体として、ワクチン接種を完了した49万8148人のうち、ブレークスルー感染は計2万6114件発生しました。


研究チームは「感染および死亡リスクを低減するワクチン接種のメリットは、この研究によって明確に裏付けられています。しかし、デルタ株の出現に関連し、ワクチンの感染に対する有効性は低下しています。リスクに対するワクチンの有効性は高いままです」「これらの結果は、ワクチン接種の取り組みを強化することに加え、ワクチン接種を受けた人もマスク着用や物理的距離の確保などの対策を再び行うべきという必要性を示しています」と述べました。


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