Appleは「ユーザーがApp Storeアプリをどう操作しているか」の情報を勝手に収集していることが明らかに

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Appleはユーザーのプライバシー保護に注力していますが、同社が提供するApp Storeアプリでは、ユーザーが画面のどこをタップしたりスワイプしたりして操作しているかに関する情報を収集していることが明らかになりました。

Apple keeps track of where you tap while browsing the App Store
https://9to5mac.com/2022/11/07/apple-may-keep-track-of-everything-you-tap-while-browsing-the-app-store/

Apple could be tracking your every move in the App Store | TechRadar
https://www.techradar.com/news/apple-could-be-tracking-your-every-move-in-the-app-store

Developers Find Apple May Be Tracking User Data on App Store Through iOS – The Mac Observer
https://www.macobserver.com/news/developers-find-apple-may-be-tracking-user-data-on-app-store-through-ios/

iOSアプリ開発者とセキュリティ研究者の2人からなるソフトウェア開発企業のMyskが、App Storeアプリの不振な挙動を指摘しています。Myskは「AppleがApp Store広告に加えた最新の変更は、多くのプライバシー上の懸念を引き起こすでしょう。iOS 14.6のApp Storeアプリでは、アプリで行うすべてのタップ操作をAppleに送信しています。以下は1回のリクエストでApp StoreアプリがAppleのサーバーに送信するデータです(解析、診断、使用状況に関する情報をAppleと共有する設定パーソナライズされた広告の設定はどちらもオフになっています)」とツイートしており、データの共有設定がオフになっているにもかかわらずApp Storeアプリが大量のデータをAppleのサーバーに送信していると指摘。

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The recent changes that Apple has made to App Store ads should raise many #privacy concerns. It seems that the #AppStore app on iOS 14.6 sends every tap you make in the app to Apple.????This data is sent in one request: (data usage & personalized ads are off)#CyberSecurity pic.twitter.com/1pYqdagi4e

— Mysk ???????????????? (@mysk_co)


Myskによると、ユーザーがApp Storeアプリを使用すると、詳細な使用状況データがApple側に送信されるようになっている模様。データには動作をプロファイルにマッピングするためのIDが含まれているそうです。なお、上記の動画ではこのID部分が隠されていますが、152KB相当のデータがJSONファイル形式で送信されていたとのこと。そして以下のツイートに添付されている画像は、App Storeアプリを10分間使用した際に生成された分のリクエストログです。

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As the user browses the App Store app, detailed usage data is sent to Apple simultaneously. The data contains IDs to map the behavior to a profile (redacted in the video). Data shown in the video is 152KB. Here’s a log of the requests while using the app for 10 minutes: pic.twitter.com/Jjyohl1tZY

— Mysk ???????????????? (@mysk_co)


Appleは2021年4月にリリースしたiOS 14.5から「ATT」を導入し、サードパーティー製のアプリはユーザーの許可を得ない限りユーザーの行動を追跡することができなくなりました。それにもかかわらず、Appleはユーザーの許諾なしでユーザーの行動を追跡しているとして、MyskはAppleを批判しています。

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The strange thing is that Apple introduced strict measures in #iOS 14.5 to prevent developers from fingerprinting users. pic.twitter.com/zVqjPfwdWb

— Mysk ???????????????? (@mysk_co)


さらに、「解析と改善の各種設定とパーソナライズされた広告に関するオプションがオフになっていても、AppleはiOS 16で引き続きユーザーデータを収集しているかどうかは不明です。いずれにせよ、App Storeアプリはすでに我々の行動やアプリの操作方法について、多くのことを知っています」「ユーザーが分析データをAppleと共有することに同意していたとしても、動画に示されている共有される情報はあまりにも多すぎます」と記しました。

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The level of details shown in the video is also too much even if the user has consented to sharing analytics data with Apple. As the title of John Gruber’s post reads: App Store Ads Gone Wild

— Mysk ???????????????? (@mysk_co)


AppleはApp Storeアプリ上でのユーザーの行動を追跡している理由や、データをどのように使用しているかについて公式に説明していません。また、海外メディアのTechRadarはAppleに追跡行為についてコメントを求めていますが、記事作成時点で返答は得られていないそうです。そのため、いつ頃からアプリ上の追跡が行われているのかは明らかになっておらず、「つい最近になってひっそりと追跡機能が追加された」と主張する人もいれば、「2021年5月にiOS 14.6がリリースされてからずっと追跡機能が仕込まれてきた」と主張する人もいます。

AppleはApp Store上で広告を掲載するサービスをスタートして以来、開発者に向けて広告のパフォーマンスに関するいくつかの統計データを提供しています。そのため、App Storeアプリ上で収集するユーザーの操作データは、この広告サービス利用者に提供される統計データの一部になっているのではと、Apple関連メディアの9to5Macは指摘しています。

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