新年の幕開けに地球からのメッセージに耳をすまそう。
昨年行なわれたネイチャーコンサーパンシーのフォトコンテストは、奇妙なキノコ、稲妻、森などの写真が選出されました。このコンテストは、196の国と地域から10万件以上の応募がありました。2022年から気候カテゴリーが導入され、気候変動が環境に影響を及ぼしていることと、それを是正しようとする人々の写真が選出されています。ここでは6つのカテゴリーからコンテスト受賞者と、注目作品をご紹介します。
The Branching Gullies
今年の大賞受賞者は、中国の写真家Li Pingが選ばれました。ドローンを使用して撮影されたこの写真はチベットの高速道路沿いの雨水侵食によって形成された峡谷を上空から撮った写真で、その全景はなぜか木のようになっています。Li Pingは被写体を早朝に捉えるため、道端の駐車場で一夜を明かしたそうです。
The Recovering Grouper
水カテゴリーから、Tom Shlesingerが撮影した注目すべき作品です。中心の大きな魚は大西洋に生息しているゴリアテハタ。他の魚に周囲を囲まれています。かつて絶滅の危機に瀕していましたが、1990年代初頭に米国南東部で漁業を禁止したことをきっかけに、徐々に個体数を増やしていきました。ハタの個体数が増加したことにより、政府は再び漁業を許可する予定です。そこでハタを保護したい人々との間で許可するかについて議論が行なわれています。
A Dusted Mountain
景観カテゴリーは、スペインのナバラにあるアディ山の斜面に沿って撮影したFrancisco Javier Munuera Gonzálezが受賞しました。
A Fierce Defense
Fabio Saltarelliによって撮影されたこの1枚は、野生生物カテゴリーで注目すべき作品のひとつです。この写真はフォークランド諸島で次の獲物を探しているカラカラから身を守ろうとするゾウアザラシを撮影したものです。
An Intruded Beach
この写真はギリシャのビーチで撮影された、人々と自然カテゴリーの受賞作品です。撮影したJanusz Jurekによれば、背景の工場が海に侵入し人々からビーチを奪ったと語っています。
Lonely Plants
これは植物と真菌カテゴリーの注目すべき作品のひとつです。Tibor Litauszkiによって撮影されたこの作品は、夕暮れ時に一対のクロッカスの花を写しとっています。写真では孤立しているように見えますが、実際クロッカス属は世界中で発見され、100以上の種類が確認されています。
A Lizard Stands Watch
インド、サタラのチョークワディー高原で撮影されたこの作品は、気候カテゴリーからの受賞。Sandesh Kadurが撮影した本作品は、中央にそびえるトカゲが目を引きます。しかし背景に写る風車はこの地域で最大の風力発電所。地球温暖化を食い止めるための自然エネルギーとして、風力発電の量をスケールアップすることは有効な手段です。
A Chilly Sediment
水カテゴリーの受賞作品は、Sandesh Kadurによって撮影されました。現実離れしたこの空撮写真は、アイスランド最大の氷河ソルサ川沿いの鮮やかな色の堆積物を撮影したものです。
The Burned Out Forest
Jassen Todorovが撮影した気候カテゴリーにおける注目すべき1作です。この作品は2021年に発生した歴史上最大の山火事(ディキシー火災)後のカリフォルニアの森を捉えた1枚。山火事は自然発生であり、時には環境によい影響を与えることもありますが、気候変動によって今後数年間で山火事はさらに頻発すると予想されています。
Ghostly Fungi
植物と真菌カテゴリー受賞作品。Callie Cheeが撮影した1枚は、オーストラリアのゴーストマッシュルームです。これらの真菌は、暗闇の中で緑色に光り輝くことが知られています。
A Flash In the Distance
Hendy Wicaksonが撮影した本作品は、風景部門の2位を受賞しました。この素晴らしいタイミングで撮影された作品は、インドネシアのブロモ・テンゲル・スメル国立公園の火山で撮影されたものです。
A Close Pair
Anup Shahが撮影した野生生物カテゴリー受賞作品。ケニアのマサイマラで近距離で走る一組のライオンを写し出しました。右のライオンは、かつてはほとんどの地域を支配していた四銃士と呼ばれるオスライオングループに属していたことが知られています。