すぐできる!Excelで作る企業ロゴ

デイリーポータルZ

これであなたもExcel企業ロゴマスター

Excel。多くの人々が人生のどこかで触れるだろう、言わずとしれた表計算やデータ集計を得意とするソフトである。
来る日も来る日も=SUMさせたり=COUNTIFさせたりしているが、彼らにももっとできることがあるんじゃないだろうか。

そんなことを思いながらだーっと様々な企業のロゴとにらめっこしながらExcelを触っていたら、できたのだ。企業のロゴは、Excelでもできる。

1.セルを使いこなそう

Excelだって企業ロゴを作りたいはず。

まずはExcelを生み出したマイクロソフト社に敬意を払い、ここからスタートしよう。

マイクロソフトのロゴはとても表のよう

出来上がりがイメージしやすい、初心者向けのロゴデザイン。さすがExcelを生み出した企業である。

左の「田」の部分はWindow(窓)をイメージしているのだそうだ。縦横4つのセルに赤、緑、青、黄色と色をつけ、嫌われがちな「セルを結合して中央揃え」で社名を入力すれば…

完成!すっかりマイクロソフト!

今日やりたいことの趣旨が見えたきただろうか。Excelでできること、こりゃあまだまだあるぞ!

ソフトバンクは3行で

マイクロソフトと同じ電気店で見かけたロゴ

あの大手電気通信事業者も、改めて見るとこんなにExcelで作りやすいロゴだったのかと気付かされる。
一つおきにセルを灰色に塗る、たったそれだけでロゴを用意できるExcelライクな企業である。

マイクロソフトよりさらに簡単だ

なお、社名についてはまったく同じフォントは用意できなかったのでなんとなく近いもので進めていきたい。これはExcelの落ち度ではない、筆者の資金不足だ。

Excelで企業ロゴが作りやすい時代

TSUTAYAのロゴマークもお手の物

TSUTAYAのロゴを手掛けた佐藤可士和氏は、シンプルかつ計算された作品を手掛けるブランディングデザイン界の大家である。
他にも楽天やユニクロ、セブンイレブンなど数多くのビジュアルを手掛けている。

今治タオルや
企業ロゴではないがSmapのアルバム『S map〜SMAP 014』も佐藤氏のアートワークだ

シンプルなデザインが世の中に増えていくということはつまり、Excelロゴデザイナーである筆者が生きやすい世の中でもあるということ。良い時代になったのだ。

余談だけど、実はこのデイリーポータルZも背景をExcelにすることができるぞ
勤務中にExcelで作業するフリをして記事を読むことができる、とかそういう配慮だったはず

どんどん行こう。

アパレルブランドのTOMMY HILFIGERもかなりExcel然としたビジュアルである。今後このブランドの服を着ているひとを見かけるたび「Excelだ」と思ってしまう。

国旗のようでもあるな、と思ったら、国際信号旗からヒントを得たロゴだそうだ。文字の均等割り付けがポイント

そして不動産会社オープンハウスである。

角張った形状、縦横に走る太さの異なる枠、斜めに入った線も実にExcelの表組みらしい

こんな具合かな、と手を動かしてみたらやっぱりそれらしいものができた。

あれ、本物を作ってしまったか?

オープンハウスの出来に大きくうなずく。よーしよし、だいぶコツが掴めてきたぞ。

2.グラフを作成してみよう

さて、セルに色を乗せるだけではなく、もう少しExcel企業ロゴデザインの可能性を探っていこう。まずは彼らの十八番ともいえるグラフ作成である。

狙うはアディダス。

かねてより沈没しかけた棒グラフっぽいなと思っていたのだ

よーく見るとアディダスの3本線の高さにはズレがある。そこでまず4つの数字でグラフを作り、棒の高さに差をつけてあげよう。

1、40、45、50の4つの数値で作られた棒グラフ。1の部分は最終的に隠れます
ここで「1」を省いてしまうと、思い描いた図にならない

グラフを用意できたら反時計回りに角度をつけたい。

グラフを傾ける機能はおそらくなさそうなので、図として保存し、左へ回転。
白いテキストボックスで下を隠しつつ社名を入れてあげれば…
アディダスの完成!

どこへ出しても恥ずかしくない立派なアディダスになった。やっぱりアディダスは棒グラフだったのだ。

3.「図の挿入」できらびやかに

グラフができたら次は【挿入】機能に挑戦しよう。ここにはたくさんの可能性が埋まっているはずだ。

ロゴデザインには便利そうなこのエリア

手始めに「アイコン」から…と、しげしげ眺めていたら見つけたのだ。

あれ、これってもしや…
フレッド・ペリーじゃない!?
やっぱりフレッド・ペリーだ!

ソフトバンクが一番簡単なロゴかなー、と思っていたが、上には上がいる。フレッド・ペリーはもはやExcelに最初から住んでいたのだ。

ついでにベネッセもできた

図の挿入は便利だ。

数多くのシルエットが用意されており、手間をかけ、微調整を加えればかなり多くのロゴを再現できるだろう。とはいえ、図形ばかり多用してもExcel本来の味は失われてしまう。

今日は、”Excelが力づくでロゴに歩み寄る”のではなく、あくまでも”Excelに歩み寄ったロゴたち”に気づき、それらに静かに寄り添う、というスタンスでいたいと思う。なんか、そんな気分なのだ。

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4.Smart Artをスマートに使いこなす

次に紹介したいのは「Smart Art」である。

組織図やフロートチャートなどの図表を簡単に作成できる機能、とあってたくさんの複雑な図形を制作することができる。

こんなのもう、宝の山じゃんか
例えばこの中にある「ベン図」は複数の集合の関係や、集合の範囲を図式化できるが、
ベン図の円をふたつにし、色を塗り分けたら…
マスターカードの完成である。ベン図、Audiも作れそうだなー

ポイントは赤とオレンジの透明度。そして枠の線をゼロにすること。うまく調整することで限りなくマスターカードナイズされていくぞ。

無限の可能性、3Dモデル

そしてこれを期にぜひ紹介しておきたいのが「3Dモデル」である。

さっき紹介したこのエリアにあったのだ、今までスルーしていた機能

なんでこの機能を今まで使ったことがなかったのだろう、と思うくらい、豊富かつ無駄に高クオリティな3Dモデルが用意されていたのだ。

マイクロソフトの本気が見られる。こわい

3Dモデルというだけあって、ぐるぐると対象を回して好きな角度に置くことができる。

あのコモドオオトカゲもいろんな角度から見られる。すごいなー

繰り返し伝えるが、Excelは表計算を得意とするソフトである。どういうことなんだ。

モンスターの力で法外な見積書を通すこともできるかもしれない

どのタイミングで使えば良いのかわからない”ボイルされたエビ”の3Dモデルなどもある。ぐるぐる回しながら「これ、NIKEのロゴみたい~」とキャッキャして遊んでいたところ、

NIKEと、絶対に違うPUMA

筆者の体たらくを横目で見ていた妻がスマートなNIKEのロゴをサラッとこしらえていた。

妻のNIKE。なんだこれ、完敗だ

筆者のナイキエビが所在なさげにしていてかわいそうである。

妻の快進撃は尚も止まらない。

3等分した円グラフでベンツを用意したり
BMWに関してはもう筆者にはどうなっているのかわからない。ドーナツグラフをなんやかんやしたそうです
このようなレーダーチャートの数値を細かくいじっているなーと思ったら、
TAMIYAができてた

なんだなんだ、Excelロゴデザインの申し子か?

もはや筆者の出る幕はないのでこのあたりでさっぱり終わろうと思う。はー楽しかった。

Excelロゴデザイン、はまります

この企画以来(こんなこと絶対にやってはいけないのだけど)勤務中にExcelを触るたびにどんなロゴができそうか、ついつい想像してしまう。
Excel猛者たちが本気を出せばいろんな趣向を凝らしたロゴが生まれるのだろうな。筆者は出来上がったロゴたちを目を細めて愛でるばかりである。

▼今回できなかったロゴ:
三菱グループ/マクドナルド/Amazon/国立新美術館/フォルクスワーゲン/Google Chrome

小さなナショナルジオグラフィックはできました

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