12月10日、アルマーニは新しくリローンチしたスキーウェアライン、ネーヴェを披露した。スキーは長いあいだ、華やかで裕福な上流階級と関連しており、ルイ・ヴィトンやアルマーニといったブランドがこのカテゴリーに参入するのは想定内だ。だが、最近では、より大衆にアピールするブランドがスキーコレクションを発表し始めている。
12月10日、アルマーニ(Armani)はスイスのサンモリッツにて開催したショーで、新しくリローンチしたスキーウェアライン、ネーヴェ(Neve)を披露した。このラインはすでに1週間前から購入可能となっており、そのあいだに50万ドル(約6867万円)以上の商品を売り上げている。
スキーウェアのカテゴリーをドル箱と考えているブランドは、アルマーニだけではない。ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、ファーム・リオ(Farm Rio)、ウールリッチ(Woolrich)、プッチ(Pucci)、オフホワイト(Off-White)は、どこもこの3カ月でスキーウェアコレクションを発表している。スキージャケットだけでも今後8年間で22億6000万ドル(約3102億円)に達すると予測されている、儲かる市場なのだ。
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スキーコレクションを発表し始めた大衆向けブランド
スキーは長いあいだ、華やかで裕福な上流階級と関連しており、ルイ・ヴィトンやアルマーニといったブランドがこのカテゴリーに参入するのは想定内だ。だが最近では、より大衆にアピールするブランドがスキーコレクションを発表し始めている。明るくトロピカルなデザインで知られるブラジルのブランド、ファーム・リオは、通常ワンピースやスカートを100ドル(約1万3700円)前後で販売している。同ブランドのスキーウェアはそれよりも高価で、スキーパンツは345ドル(約4万7360円)前後での販売となるが、それでもスキーセーターを2000ドル(約27万4500円)近くで販売するアルマーニにくらべればはるかに安い。
ファーム・リオが、スキーというカテゴリーにおいて変則的なのは、その価格だけではない。ショート動画シリーズでスキーコレクションを宣伝しているインスタグラムでは、このブランドの明るい柄や色使いを前面に押し出している。典型的なヘリテージスキーブランドの美学であるモノクローム・スタイルとは異なるルックだ。
シグネチャーとなるデニムスタイルを100ドル(約1万3700円)前後で販売しているDL1961は、11月下旬にスキーブランドのパーフェクトモーメント(Perfect Moment)とのホリデースキーウェアコラボレーションを発表した。このカプセルには複数のジャケットとパンツがあり、すべてデニム製ながらウィンタースポーツに必要な防水性と保温性を備えているのが特徴である。創業43年のパーフェクトモーメントは、300ドル(約4万1200円)から500ドル(約6万8600円)とより手頃な価格帯でもある。
パーフェクトモーメントのクリエイティブ・ディレクター、ジェーン・ゴットシャルク氏は、スキーウェアのハイエンドな世界と大衆向けにアピールするデニムとのギャップを埋めることが、このカプセルの目的のひとつだと、プレスリリースで述べている。
スキーファッションの成長はTikTokにも要因がある
ショッピングアプリのマダ(Mada)が、スキーウェアの売り上げが400%増加したと報じたように、今年の初めにはすでにスキーウェアのトレンドは好調だった。スキーリゾート自体のカムバックにも助けられ、2022年を通して収益は徐々に戻り、9月にはパンデミック前のレベルを超えている。アスペンのような目的地への旅行の復活が意味するのは、スキーヤーが再びワードローブを一新する理由ができた、ということだ。
マーケティング会社パワーデジタル(Power Digital)のファッションアカウントディレクター、ジャラ・バーク氏によると、スキーファッションの成長は、スキーリゾート自体の人気と同じくらい、TikTokがかなり牽引している。
「旅行の再開もそうだが、趣味や娯楽を特定のスタイルで楽しむことが増えたのは、着飾ることに喜びを見出すだけでなく、それをソーシャルに記録できるようになったからだ」とバーク氏は言う。「これは特に、人々が趣味の美的側面を強調するTikTokで顕著である。活動の『バイブス化』は、ブランドが新しい人々を意欲的に迎え入れるための、ひとつの方法となり得るのだ」。
[原文:Contemporary fashion brands are invading the luxury-dominated skiwear market]
DANNY PARISI(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)
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