Roblox 参入は、ブランドにとってより魅力的に:重要なデジタルペルソナのカスタマイズに関与できる

DIGIDAY

Roblox(ロブロックス)における全身の外見と没入型のロールプレイイングゲームはブランドにとってますます魅力的な機会になっている。特に、Robloxの人気が高まっているいま、(ブランドが)このゲームプラットフォームで目立つことは難しくなってきている。

Robloxでデジタルファッションアイテムを販売するナトリ

社歴45年のライフスタイルブランド、ナトリ(Natori)は11月3日、Robloxで同社初のデジタルファッションコレクションを発表した。これには、同社の定番プリントを使ったハイエンドなファッションアイテムやヘアスタイル、アクセサリーなどが含まれている。アイテムは、8月にローンチしたRobloxのクリエイタースタジオ、ハウス・オブ・ブルーベリー(House of Blueberry)のデジタルブティックで1〜1.50ドル(約140〜210円)で販売されている。このデジタルブティックはハウス・オブ・ブルーベリーの新機能であり、様々なブランドはブティック内でRobloxの「ポップアップ」コレクションをローンチすることができる。そのため、ブランドにとってRobloxに進出して、アバターファッションの作成のインパクトを試す機会が提供される。

ナトリにとって、Robloxでのローンチは、世代間のギャップを埋め、Z世代を惹きつけるための取り組みである。ポップアップは、黒いデスクや大型写真集など、創業者ジョシー・ナトリ氏のオフィスにあったものを取り入れた環境に設定された。

ナトリ社長のケン・ナトリ氏は次のように語っている。「2000年代初めにeコマースを立ち上げたときも、AIを使って有料メディア戦略を強化したときも、当社は常に革新に尽力してきた。だが、当社のルーツはもっと伝統的だ。メタバースには何年間も注目してきたが、当社にふさわしくかつ安全だと感じられるやり方で、信頼できるパートナーと組んで参入する方法を見つけられられずにいた」。

Robloxのクリエイタースタジオ、ハウス・オブ・ブルーベリーとは

ハウス・オブ・ブルーベリーは、これまでにジョナサンシムカイ(Jonathan Simkhai)などのファッション ブランドとコラボしており、現在までに2000万の仮想資産を売り上げている。ナトリはハウス・オブ・ブルーベリーが4月にリリースしたレイヤードウェア機能を利用した。それにより、これまではできなかったデジタルデザインを重ねることが可能になった。

ハウス・オブ・ブルーベリーの過去のデザインはすべて追跡可能であるため、人気を集めたスタイルに関するデータをブランドに提供することができる。「ヘアスタイルを買うことはRobloxでは非常に人気がある」と、ケン・ナトリ氏は述べている。「当社のビジネスはヘア関連ではないが、ハウス・オブ・ブルーベリーには当社のコレクションのアクセサリーや服に合うさまざまなヘアスタイルをデザインしてもらった」。サンシルク(Sunsilk)やジバンシイ ビューティー(Givenchy Beauty)などのヘアケアブランドは、Roblox上で独自のブランド世界とデジタルヘアをローンチしている。

ハウス・オブ・ブルーベリーを創業したミシ・マクダフ氏は、ナトリとのコラボレーションはハウス・オブ・ブルーベリーの奥深い能力を披露する絶好の機会だったと語っている。「我々は10年におよぶバーチャルファッションとメタバース空間での経験を今回のブランドアクティベーションに有効に活用することができた」。

Robloxアクティベーションで団体支援したハッピーネーション

ヴィクトリアズシークレット(Victoria’s Secret)傘下のZ世代ブランド、ハッピーネーション(Happy Nation)は6月に「ベイビュー(BayView)」ゲームで同ブランド初のRoblox体験をローンチした。ハッピーネーションの10月の2番目のローンチはもっと開発されたもので、クリエイティブスタジオ兼広告代理店のスーパーオウサム(SuperAwesome)と提携して作成された。Roblox上でもっとも急速に成長しているゲームのひとつであり、430万人のユーザーを抱える「ライブトピア(Livetopia)」内にあるハッピーネーションの部屋には障害物コースがあり、プレイヤーはカスタマイズされたデジタルファッションのTシャツを作成できるようになっている。また、ハッピーネーションのポップアップを閲覧することもできる。ロールプレイングゲームは、Robloxの生命線であり、16歳以下のユーザー層を狙うブランドにとっては賢い戦略といえる。

ハッピーネーションのふたつつのローンチには、Robloxユーザーにアプローチしながら同ブランドと連携する団体を支援するという目的があった。「開始から最初の6週間以内に『ベイビュー』内での初Roblox統合によりアンディーズ・フォー・エブリワン(Undies for Everyone)に1万500件の寄付があった。(アンディーズ・フォー・エブリワンは貧困や危機にある子どもたちに下着を寄付する団体)」と述べているのは、ヴィクトリアズシークレットの成長ブランド向けマーチャンダイジング担当バイスプレジデント、クリステン・ラゴア氏だ。ハッピーネーションは、アクティベーション終了までに280万回のポータルアクセスを獲得。2度目のアクティベーションではゲームがライブになってから4時間以内に目標の寄付金額を上回り、200万人以上がこのエクスペリエンスに訪れた。

Robloxアバターが持つ可能性

アバターの服ではなく、デジタルペルソナをカスタマイズする機能はRobloxオーディエンスにとって重要であり、94%が髪などのアバターの機能をカスタマイズしたと報告している。ブランドにとってさらに重要なのは、Robloxユーザーの82%がほかのアバターで見た外見やアイテムを試す可能性が高いと述べていることだ。

インフルエンサーはアバターの作成に貢献することもできる。たとえば、TikTokパーソナリティでゲーマーのリア・アッシュ氏はRobloxでピンクのウィッグを販売ししている。ハウス・オブ・ブルーベリーやスーパーオウサムなどのスタジオはブランドの進出を引き続き支援しており、Robloxはクリエイターコミュニティの構築に注力している。

ブランドにとって、ゲームやデジタルファッションなどを通じて新体験を調整したり作成することはブランド体験に対する需要の高まりに対応するための鍵となるだろう。

[原文:Brands are winning on Roblox with avatar fashion, gaming

ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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