Twitterが本社の一部を従業員向けの仮眠室に変えたことが、サンフランシスコの建築基準法に違反しているとして、規制当局の調査を受けていることが明らかになりました。
Twitter allegedly has illegal bedrooms at HQ, SF officials investigate
https://www.sfchronicle.com/tech/article/S-F-officials-investigating-allegedly-illegal-17635717.php
Twitter under investigation for allegedly setting up illegal bedrooms in company HQ – National | Globalnews.ca
https://globalnews.ca/news/9334804/twitter-hq-investigation-elon-musk-illegal-bedrooms-san-francisco/
事の発端となったのは、2022年12月5日に経済紙のフォーブスが報じた「イーロン・マスクがTwitter本社に従業員向けの仮眠室を用意した」という記事。フォーブスは2人の情報筋からの情報として、サンフランシスコにある過疎化したTwitter本社の会議室のひとつが、粗末なマットレスとカーテンで作られた仮眠室になっていると報じています。この仮眠室はハードコアな職場を受け入れるよう従業員に求めるマスク氏が従業員のために用意したものと思われます。情報筋のひとりは「またもや我々を軽視する兆候がみられました。何の話し合いもなく、ただベッドが現れました」と述べ、突如現れた仮眠室に苦言を呈しました。なお、1フロア当たり4~8個ほどの仮眠室が設けられているとのことです。
この報道を受けたあるTwitterアカウントが、サンフランシスコの顧客サービスセンターであるSF311をメンションして「誰がこれをチェックすべきか知っていますか?」と問いかけたところ、SF311は「お問い合わせいただきありがとうございます。この問題は建築検査局に報告されています。あなたの投稿は既存のサービスリクエスト番号:16152343に記載されています」と返答し、この問題を既に認識しておりサンフランシスコの建築検査局が調査を進めていることを明かしました。
Thank you for your inquiry. This issue has been reported to Department of Building Inspection. Your posting has been noted on existing Service Request Number: 16152343. ^SL
— SF311 (@SF311)
また、Twitterの元従業員は、マスク氏がTwitterを買収してから「マスク氏は定期的にTwitter本社で寝ている」とBBCのインタビューの中で語っています。加えて、BBCのレポーターであるJames Clayton氏が、独自にTwitter本社に設けられたという仮眠室の写真を入手したとして、写真をTwitterに投稿しています。
NEW: The BBC has obtained pictures of inside Twitter – rooms that have been converted into bedrooms – for staff to sleep in.
The city of San Francisco is investigating as it’s a commercial building. pic.twitter.com/Y4vKxZXQhB
— James Clayton (@JamesClayton5)
サンフランシスコの地元メディアであるSan Francisco Chronicleも、「サンフランシスコの建築検査局がマーケットストリート1335番地にあるTwitter本社で法律違反がないか検査を求めている」と報道。San Francisco Chronicleは「独自の調査でTwitter本社に仮眠室が設置されたことを確認することはできませんでしたが、サンフランシスコの記録によると、Twitter本社の一部を居住用に転用するという申請は提出されていませんでした」と報じています。
なお、マスク氏はサンフランシスコの建築検査局からの調査を受け、「サンフランシスコは子どもがフェンタニルを摂取することの危険性について確認する代わりに、疲れた従業員向けにベッドを提供する会社を攻撃します。ロンドン・ブリード市長の優先順位はどうなっているんですか!?」とツイートし、社内に仮眠室があることを認めています。
So city of SF attacks companies providing beds for tired employees instead of making sure kids are safe from fentanyl. Where are your priorities @LondonBreed!?https://t.co/M7QJWP7u0N
— Elon Musk (@elonmusk)
サンフランシスコの建築検査局はTwitterが建築基準法に違反している可能性について、Twitter本社での検査を求めており、建物の管理者に詳細情報を求めているとSan Francisco Chronicleは報じています。
サンフランシスコの建築検査局で広報担当者を務めるパトリック・ハンナン氏は、「我々はすべての苦情を調査します。そのため、Twitter本社が意図した通りに使用されていることを確認する必要があります。短期滞在に使用されるものを含め、居住用の建物にはさまざまな建築基準法における要件が存在します。これらの要件は、人々が空間を安全に使用していることを確認するためのものです」と述べました。なお、建築基準法違反が見つかれば、違反について公告が出されることになります。
Twitter本社が入っている建物の所有者は、JPモルガン・チェースとShorensteinの2社。2011年にTwitterがShorensteinと結んだ賃貸契約書はアメリカ証券取引委員会に提出されており、これをチェックするとTwitterは「社会的、福祉的、または臨床的サービスを提供するための施設」としてサブリースしようとする場合、「同意を合理的に差し控えることができる」と記載されているそうです。ただし、賃貸契約書にはTwitterが本社を宿泊施設として運営できるかどうかは記載されていない模様。
なお、2022年11月にTwitterのプロダクトマネジメントディレクターを務めるEsther Crawford氏は、寝袋に入ってアイマスクを着用している様子を写真で撮影し、Twitterに「私は一晩中Twitterのサンフランシスコ本社にいました。組織をただすまでここに寝泊まりして仕事をするつもりです」とツイートしていました。ただし、このツイートは記事作成時点では削除されています。
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