Amazonが偽レビューまみれの中国ブランド600超を追放したと発表

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Amazon上には無数の偽レビューステマレビューが氾濫しており、これにより製品の正しい評価をレビュー欄から知ることができない点が問題視されています。偽レビュー撲滅のため、Amazonは一部の製品をプラットフォーム上か削除しているのですが、新たに偽レビューまみれの中国ブランド・600超をサイト上から追放したと発表しました。

Amazon says it’s permanently banned 600 Chinese brands for review fraud – The Verge
https://www.theverge.com/2021/9/17/22680269/amazon-ban-chinese-brands-review-abuse-fraud-policy

2021年5月、セキュリティ製品のレビューサイトであるSafetyDetectivesが、Amazon上で偽レビューを投稿する組織のデータベースがリークされていることを発見しました。このデータベースには20万人以上のメールアドレスやPayPalアカウントが記載されていたことが明らかになっています。

このデータリークでは、一体どういったブランドが偽レビュー組織を使ってレビュー内容を改ざんしていたのかは不明でした。しかし、データリークの直後にTomtop、Aukey、Mpow、Aukey、Tacklifeといった人気アクセサリーメーカーの製品がAmazon上から突如削除されたため、これらのブランドは偽レビュー組織を活用していたのではと疑われています。

Amazonに偽レビューを投稿する組織の存在が明らかになったのち人気AppleアクセサリーがAmazon上から消える – GIGAZINE


また、2021年6月にはウォール・ストリート・ジャーナルのNicole Ngyuen氏が「RavPowerの商品を購入したら、レビューを投稿すると商品価格のほぼ半額である35ドル(約3900円)分のギフトカードと引き替えできるカードが付いてきた」と報じ、ステマレビューを奨励するようなカードが製品に含まれていたとしています。

AmazonがAukeyやMpowに続けてRavPowerの製品も削除 – GIGAZINE


これらの偽レビューやステマレビューが問題視された後、Amazonは独自の調査を開始。そして2021年9月に入り、ついに3000以上のサードパーティー販売業者のアカウントを停止処分としたことを発表。これにより、600以上の中国ブランドの製品がAmazon上から姿を消すこととなりました。

Amazonは今回の偽レビューにかかわる一部のブランド排除に際し、「Amazonは顧客が自信を持って買い物をすることができ、売り手が健全な競争の中でビジネスを成長させる機会を持つことができるように、プラットフォーム上の体験を素晴らしいものとするべく一生懸命働いています。顧客は情報に基づいた購入決定を行うために、製品レビューの正確性と信頼性に依存しています。コミュニティ機能の乱用を禁止するため、レビュー担当者と販売パートナーの両方に対し、我々は明確なポリシーを有しています。我々は世界中のどこにいてもポリシーに違反する人々に対し、一時的なアカウント停止やアカウント削除処分、あるいは法的措置を取ります。今後も不正使用の検出を改善し、レビューの不正を含むポリシー違反に故意に関与するような人物を含む、悪意ある攻撃者に対して強制的な措置を講じていきます。我々のとる措置は、顧客だけでなくグローバルな販売コミュニティの大部分を構成する誠実なビジネスパートナーにとっても利益になると確信しています」という声明を出しています。


なお、Amazonはレビューを投稿する代わりに金銭を授与するインセンティブレビューを2016年に禁止しましたが、これらのインセンティブレビューは延長保証やVIP向けのテストプログラムなどに形を変えて、いまだにいくつかの製品の間で残っているそうです。この他、低評価のレビューを投稿したユーザーに対して「レビューを削除した場合、無料で製品や金銭を授与する」という、逆インセンティブレビューを提供しているという事例もある模様。

海外メディアのThe Vergeは「Aukeyは2021年5月にAmazon上から追放された有名企業のひとつですが、2021年7月の時点で同社のサブブランドがイヤホンの販売を継続しており、現在もAmazon上でそれらの製品を購入することができます」と述べ、Amazon側の偽レビュー対策が不十分なものであると指摘しています。

偽レビューとの関連でAmazon上から削除されたアクセサリーメーカーがひっそりと販売を再開 – GIGAZINE


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