パーツを組み立てて自身と同じロボットを作る「自己複製ロボット」の開発をMITの研究者が進めている

GIGAZINE
2022年11月28日 17時00分
動画



マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、「パーツを組み立てて自分と同じロボットを構築できる自己複製ロボット」の開発を進めています。将来的には家や航空機など、より大きなものの構築に役立つことが期待されています。

Self-replicating hierarchical modular robotic swarms | Communications Engineering
https://doi.org/10.1038/s44172-022-00034-3


Flocks of assembler robots show potential for making larger structures | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
https://news.mit.edu/2022/assembler-robots-structures-voxels-1122

MIT Engineers Design Self-Building Robots That Can Grow Into Bigger Machines
https://www.ndtv.com/world-news/mit-engineers-design-self-building-robots-that-can-grow-into-bigger-machines-3557709

Researchers are building robots that can build themselves | TechCrunch
https://techcrunch.com/2022/11/22/researchers-are-building-robots-that-can-build-themselves/

MIT・Center for Bits and Atoms(CBA)の研究チームは、「自律的に自己を複製可能なロボット」を開発するという野心的なプロジェクトに取り組んでおり、2022年11月に自己複製ロボットの実現に近づく新たなアプローチについての論文を発表しました。研究チームがどのようなアプローチで自己複製ロボットの開発に取り組んでいるのかは、以下の動画を見るとよくわかります。

Assembler robots could eventually build almost anything – YouTube
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研究チームが開発している自己複製ロボットは、「ボクセル」と呼ばれる小さな立体部品が組み合わさって構成されています。


当初のボクセルは単純な機械的構造部品であり、磁石でお互いにくっつくボクセルはワイヤーによって電源や制御システムに接続されていました。


しかし、研究チームは個々のボクセル自体に電力やデータを伝達する構造を備えた、さらに複雑なボクセルを用いることにしたとのこと。


CBAの教授であるNeil Gershenfeld氏は、「新たに生まれたのが、力だけでなく電力やデータを伝達するボクセルという構造エレクトロニクスのアイデアです。ワイヤーはなく、ただ構造体があるだけです」と述べています。


複数のボクセルが磁石で接続された自己複製ロボットは、端にあるアタッチメントを使用して新たなロボットの部品となるボクセルをつかみ、目的の位置にボクセルを配置することができるとのこと。


高機能のボクセルを使用することにより、ロボットが部品を並べて自分と同様のロボットを複製できると研究チームは主張しています。


自己複製するロボットを構築する上では、「どこに部品を並べるのか、どのタイミングで新たなロボット構築を始めるのか」といった意思決定アルゴリズムの開発が課題であり、研究チームはこうしたアルゴリズムの開発に取り組んでいるとのこと。


また、記事作成時点ではボクセル間のコネクタに十分な強度がなく、要求される負荷に耐えることができないというハードウェア面での問題も残っています。


完全な自己複製ロボットが開発されるのは数年先と予想されていますが、最終的にはこうしたロボットを用いることで飛行機や家、海面上昇から沿岸を保護する防護壁など、非常に大きな構造物の構築が容易になると期待されています。


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