インスタグラム で、ハッピーアワーを後押しするアルコールブランド:パンデミックからの回帰をマーケティングに活用

DIGIDAY

ハードセルツァー(アルコール入り炭酸水)ブランドのホワイトクロー(White Claw)は、Z世代とミレニアル世代の飲酒者を対象としたコンテストをインスタグラム上で開催し、平日の勤務時間後の対面での人々の交流の復活を促している。

「134ハッピーアワーズ(134 Happy Hours)」と名付けられたこのコンテストは、パンデミックが始まり、米国でロックダウンが広く実施された2020年3月30日から134週間が経過したことと、それによって134回、金曜日(の飲みの集まり)が失われたことにちなんで名付けられた。

「インスタグラムは視覚的でインタラクティブなプラットフォームであり、134ハッピーアワーズ・キャンペーンを共有するだけでなく、同僚とのハッピーアワー(バーなどでアルコール飲料が安く提供される時間帯)が失われたことで、何が失われたか、についてファンと会話を持つことができる」と米ホワイトクロー・ハードセルツァー(White Claw Hard Seltzer, U.S.)の最高マーケティング責任者であるジョン・シェイ氏は述べている。

同ブランドが持つソーシャルアカウントのなかで最もフォロワー数が多い(20万5000人以上)インスタグラムを活用し、Z世代やミレニアル世代(21歳から35歳の年齢層)をターゲットにしている。

オフィス回帰の流れを活用したキャンペーン

「ホワイトクローはロックダウン中に非常に強力な売上を記録したが、現在はオフィス回帰の流れを利用して、以前は一般的だった対面での交流を呼び起こそうとしている」とメディア企業ダイレクト・デジタル・ホールディングズ(Direct Digital Holdings)のCEOであるマーク・ウォーカー氏は述べた。「結果として、このホワイトクロー・キャンペーンは、ハッピーアワーへの回帰を開始するマーケティングの波を起こすかもしれない」。

デジタル広告を通じて、フォロワーたちに同僚とのハッピーアワー(での飲み会)の気分を思い出してもらい、インスタグラムアカウントにピン留めされたリンクからコンテストに応募して賞品を獲得するよう呼びかけている。賞品はブランド特製のマーチャンダイズから400ドル(約55874円)のギフトカードまである。グランプリ受賞者には、卓球台、カラオケマシン、バーチャルリアリティ・ヘッドセットなどの賞品が贈られる。コンテストは10月20日に開始され、11月6日まで開催される。

シェイ氏によると、広告費の100%がソーシャルメディアに使われており、Facebookとインスタグラムには50%以上が使われているという。パスマティックス(Pathmatics)のデータによると、2022年の広告費は2700万ドル(約37億円)強で、2021年の2000万ドル(約27億円)から増加している。

「トレンド」と結びつけたマーケティング

企業の多くが在宅勤務を始めたパンデミックが始まり2年が経って開催されるこのキャンペーンだが、ホワイトクローが委託した最近の独立調査では、会社員の74%が同僚とのハッピーアワーを懐かしんでいる、と回答した。

ホワイトクローはVCCP NY(クリエイティブエージェンシー)、ハワース(Haworth:メディアエージェンシー)、ゼノ・グループ(Zeno Group:PRエージェンシー)と共同でこのキャンペーンを行った。「ホワイトクローは、全国の企業が再び結束して、キュレーションされたハッピーアワーの体験を提供することで、失われた時間を取り戻すのを支援している」とシェイ氏は述べた。

DIGIDAYが以前報じたように、スカイウォッカ(SKYY Vodka)ヒルトン(Hilton)も、ブランドの認知度を高め、また人々と直接会って交流したいと考えるユーザー層に向けて、パンデミックからの回帰を活用したマーケティングキャンペーンをおこなっている。「さまざまな業界のブランドがこの「トレンド」と結びつけてマーケティングするのを見てきた。オフィスでの仕事に役立つ製品やアプリを宣伝したり、B2BやB2Cの企業が生産性を高め、スムーズな移行のための方法を業界に解説したりするのがその例だ」とクロウPR(Crowe PR)のCEOであるアナ・クロウ氏は述べた。「ブランドを人気のあるトレンドに合わせることは、うまく実行されれば、非常に大きなインパクトを生む可能性がある」。

2021年、ホワイトクローはハードセルツァー市場の成長に10億ドル(約1396億円)以上の貢献をしている。これは2大ハードセルツァーブランドであるバドライト(Bud Light)とトゥルーリー(Truly)の合計よりも多かった。

「イベントであれ、このようなソーシャルキャンペーンであれ、ファンと継続的に関わることを楽しみにしている」とシェイ氏は述べた。

[原文:Why White Claw used Instagram to promote return of in-person happy hours

Julian Cannon(翻訳:塚本 紺、編集:黒田千聖)

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