Googleは米国時間11月2日、ニューヨークで開催した「Google AI」イベントで、同社の言語モデル「LaMDA」(Language Model for Dialogue Applications)を活用する執筆ツール「Wordcraft」のプロトタイプについて説明した。13人のプロ作家と協力し、Wordcraftを使って短編小説のサンプルを執筆してもらったという。
提供:Getty Images
Googleは2021年にLaMDAを発表し、「ユーザーと会話できる対話エンジン」を目指すものだとしていた。Wordcraftプロジェクトは、LaMDAによるフィクションのテキスト生成を模索するものだ。「WordTune」や「Grammarly」などの既存のテキストツールとは異なり、Wordcraftは、綴りを直して表現を改善するだけでなく、物語を作り上げる手助けをすることを目的としている。
以下は、ネビュラ賞にノミネートされたファンタジー作家のEugenia Triantafyllou氏が提出した「Worm-Mothers」の一節だ。「All the birds in the sky were prey to the Worm-Mothers — they hungered and delighted in the birds they swallowed whole like grapes. Because the Worm-Mothers had no teeth to speak of, no eyes either. Their face was only a wide gummy mouth and a short black horn at the top of their egg-shaped heads.」(空を飛ぶすべての鳥がWorm-Motherの餌食だった。Worm-Motherは鳥が大好物で、ブドウのように丸のみにして食べてしまう。Worm-Motherには歯がなく、目もなかった。その顔には歯茎をのぞかせた大きな口があるだけで、卵型の頭部の先端には、黒くて短い1本の角があった)。
一連の作品は「Wordcraft Writers Workshop」のウェブサイトで公開されている。
Google Researchの上級研究者であるDouglas Eck氏は同イベントで、Wordcraftは「人々が自らの創造性を表現する方法を変える」ものになると確信していると述べたと、Indian Expressが報じ、Googleも同氏のコメントを認めている。
Eck氏は文章の生成について「簡単ではない」と述べ、LaMDA単体ではピューリッツァー賞の受賞には程遠いとした。
「1つ明らかになったのは、LaMDAを使って物語全体を書こうとすると行き詰まるということだ」「作業を実際に行うのは作家だ」と同氏は述べた。
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この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。