Twitterの買収を完了したイーロン・マスクがCEOに就任、テスラから集められた50人以上のエンジニアがTwitterのコードレビューに加わる

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2022年10月にTwitterの買収を完了したイーロン・マスク氏が、Twitterの新CEOに就任することが明らかになりました。さらにマスク氏は、自身がCEOを務める電気自動車メーカー・テスラなどのソフトウェアエンジニアを選抜し、Twitterのコードレビューに従事させていると報じられています。

Elon Musk has pulled more than 50 Tesla employees into Twitter
https://www.cnbc.com/2022/10/31/elon-musk-has-pulled-more-than-50-tesla-engineers-into-twitter.html

Elon Musk, who runs four other companies, will now be Twitter CEO | Reuters
https://www.reuters.com/technology/elon-musk-says-he-will-be-twitter-ceo-2022-10-31/

Updates from Elon Musk’s second day as Twitter owner – Silicon Valley Business Journal
https://www.bizjournals.com/sanjose/news/2022/10/31/elon-musks-takeover-of-twitter.html?page=all

マスク氏は10月31日にアメリカ証券取引委員会へ提出した文書で、自身がTwitterのCEOを務めることを明らかにしました。また、9人で構成される取締役会は解散となり、マスク氏が唯一の取締役となりました。海外メディアのSilicon Valley Business Journalは、「これは株式の非公開化に伴って予想されていたステップでした」と述べています。

なお、マスク氏はTwitterのCEOに就任することが報じられる前から、Twitterアカウントのプロフィールを「Chief Twit」としていました。


海外メディアのCNBCが閲覧した内部文書によると、マスク氏は自身がCEOを務めるテスラから50人以上、トンネル掘削企業のボーリング・カンパニーから2人、ブレイン・マシン・インタフェース開発企業のニューラリンクから1人の従業員を選抜し、Twitterで働く権限を与えたとのこと。

今回テスラからTwitterに呼び寄せられた従業員の中には、ソフトウェア開発ディレクターのAshok Elluswamy氏、オートパイロットおよびテスラボットのエンジニアリングディレクターであるMilan Kovac氏、ソフトウェアエンジニアリングの上級ディレクターであるMaha Virduhagiri氏、技術プログラムマネージャーの上級スタッフであるPete Scheutzow氏、セキュリティインテリジェンスの上級マネージャーを務めるJake Nocon氏などが含まれているそうです。CNBCは、「マスク氏はTwitterにおいて何を切り捨てるのかを判断するために、自身の側近や忠実な部下を頼りにしています」と述べています。

マスク氏は言論の自由を重視しつつも、「Twitterを参加自由の地獄絵図にはしない」としてある程度のモデレーションを行う姿勢を見せています。今回引き抜かれた従業員は、Twitterのコンテンツモデレーションやデータプライバシー要件について可能な限り早く学習し、プラットフォームの再設計が可能になるようにマスク氏からプレッシャーをかけられていると、Twitterの従業員は証言しています。

マスク氏がTwitterのCEOとCFOを解雇、「Twitterを参加自由の地獄絵図にはしない」と言論に制限を設ける構え – GIGAZINE


また、Twitterの従業員がCNBCに語ったところによると、Twitterのタスクに従事するテスラの従業員が持っているスキルは自動運転などのソフトウェアおよびハードウェアに関するものであり、ソーシャルネットワークの構築・維持とは重複するところがないとのこと。たとえば、テスラのエンジニアのほとんどは、Twitterのような広くアクセス可能な検索エンジンおよびプラットフォームの設計・運用経験がありません。また、テスラではスクリプト言語としてPythonが好まれていますが、TwitterではScalaが広く使われているという違いもあるそうです。

マスク氏はTwitter買収に伴って、多くの従業員を解雇する計画です。以前から在籍していたTwitter従業員はあらゆる種類の技術文書を見せ、自分たちのチームが行った仕事の重要性を示し、社内での価値を証明するよう求められているとのこと。一方、Twitterの従業員側に対して具体的な人員削減計画や長期戦略についての説明はなく、従業員の間には恐怖と不信感がまん延しているそうです。複数の従業員はCNBCに対し、多くの従業員が社内システムでコミュニケーションを取るのをやめ、一部のSlackチャンネルはほぼ沈黙状態になっていると述べました。

なお、最初のレイオフラウンドは従業員の25%を対象にしていると報じられています。

Elon Musk plans Twitter layoffs with new team – The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/10/31/elon-musk-twitter-layoffs/

マスク氏が重要視しているプロジェクトの1つが、有料サプスクリプションサービスの「Twitter Blue」と検証システムの再設計です。マスク氏はこの作業を11月の第1週に終わらせることを望んでいるそうで、Twitterのマネージャーはこの期限を守るため、一部の従業員に対して「週7日12時間」という厳しいシフトで働くように指示したとCNBCは報じています。この指示は残業代や代休、雇用保障といった点についての議論なしに行われたとのことです。

なお、マスク氏はTwitterにかつて存在した6秒動画アプリ「Vine」を復活させるかどうかのアンケートを行っているほか、認証済みバッジを月額20ドル(約3000円)の有料サービスに組み込むことを検討していると報じられています。

イーロン・マスクがTwitterで6秒動画アプリ「Vine」を復活させるかアンケートを実施 – GIGAZINE


Twitterは公式マークを維持するために月額3000円を求めることを検討中だと報じられる – GIGAZINE


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