地球に脅威を及ぼす可能性がある小惑星が見つかる、これまで太陽がまぶしすぎて発見できず

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地球に接近する軌道を持つ小惑星が新たに発見されました。この小惑星は2014年以降に発見されたもののうち最も大きなものであると考えられ、地球に衝突する潜在的な危険性をはらんでいると指摘されています。この小惑星は太陽が強く照らす領域に存在していたため、これまで発見されませんでした。

A Deep and Wide Twilight Survey for Asteroids Interior to Earth and Venus – IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ac8cff

Scientists Find Potentially Hazardous Asteroid Hiding in the Sun’s Glare
https://gizmodo.com/scientists-find-potentially-hazardous-asteroid-hiding-i-1849722873

地球の軌道に接近する可能性のある小惑星は「地球近傍小惑星(NEA)」と呼ばれており、2022年までに1454個が確認されています。

カーネギー研究所のスコット・シェパード氏らは太陽の光の影響で通常は視認できない領域を対象とし、ダークエネルギーの調査のために作られた「ダークエネルギーカメラ」を用いて撮影を実施。チリのセロ・トロロ・汎米天文台にあるブランコ望遠鏡で遠方からのわずかな光を捉えることで、地球の軌道の内側にある物体を検出することに成功しました。

今回発見された物体は「2022 AP7」と名付けられました。2022 AP7はNEAの中でも特に地球に衝突する可能性が大きい「潜在的に危険な小惑星(PHA)」に分類できると考えられており、時間の経過につれて最終的に地球と衝突する可能性があるとのこと。見かけ上の動きを計算すると直径は1.0〜2.3kmになると考えられ、2014年以降に見つかった中で最大のPHAになるそうです。ただし、2022 AP7は差し迫った脅威をもたらすわけではありません。


シェパード氏は、「2022 AP7の公転周期はちょうど5年に近く、大きな天体であることから、今後のNEO調査によって早期に確認されることが期待できます」と述べました。

これまでにハッブル宇宙望遠鏡やウェッブ宇宙望遠鏡などが遠方の小惑星を次々に観測していますが、これら望遠鏡は太陽の強烈な光と熱で壊れてしまうため、常に太陽を背にしています。そのため、太陽より遠くにある小惑星を発見するよりも、今回のように太陽と地球の間にある小惑星を発見する方が困難です。シェパード氏は「2022 AP7は、太陽に向かって観測する比較的大きな望遠鏡が、現在のNEO探査のほとんどで効率よく発見できないような大きなNEOを発見できることを示す前例となりました」と述べました。


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2022年11月01日 12時00分00秒 in サイエンス, Posted by log1p_kr

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