古代のカエルが「激しすぎる交尾」で疲れ果てて大量死していたことが判明

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4500万年前の地層から見事な保存状態の化石で発掘されながらも、なぜほぼ同時に大量死していたのかが謎に包まれていた古代のカエルの死因が、なんと交尾のしすぎだったことが判明したとの研究結果が報告されました。

The skeletal taphonomy of anurans from the Eocene Geiseltal Konservat‐Lagerstätte, Germany: insights into the controls on fossil anuran preservation – Falk – 2022 – Papers in Palaeontology – Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/spp2.1453

Ancient frogs in mass grave died from too much sex – new research
https://theconversation.com/ancient-frogs-in-mass-grave-died-from-too-much-sex-new-research-188562

アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コークで古生物学を研究しているダニエル・フォーク氏によると、ドイツ中央部にあるガイゼルタール地方は、4500万年前は広大な湿地帯の水辺だったとのこと。そのため、この地域ではこれまで鳥・馬・コウモリ・魚など多種多様な古代の生物の化石が5万点以上見つかっており、その豊富さや保存状態から「科学的発見の宝庫」とも評されています。

その中でも特にフォーク氏の目を引いたのが、数百体にもおよぶカエルの化石です。

by D. Falk

これらの化石のほとんどは病気の兆候がなく、捕食者に食べられたり腐肉を食べる動物に荒らされたりした形跡もありません。また、洪水で流されたり、逆に沼が干上がって死んだりした痕跡もないことから、無数のカエルが一体なぜ死んだのかは長年にわたり不明なままでした。

そこで、フォーク氏らの研究チームは化石の骨格に着目して調査を行い、どの骨やどの関節が残っているかを分析しました。その結果、化石化したカエルのほとんどは大量死現象によるものであり、同じ原因でほぼ同時に死んだことが確かめられました。

また、カエルは化石になる前に死骸の状態でしばらく浮いていたことが判明したことで「湖が干上がったのが原因である」という仮説が否定されたほか、陸地に上がって別の水域へと移動することも可能な種のカエルであるため「水中の酸素濃度が減少したのではないか」との仮説も当てはまらないことが分かりました。


このように研究チームがさまざまな可能性を除外していった結果、最後に残ったのが「交尾のしすぎで死んだ」というものでした。フォーク氏によると、化石のカエルは現代のヒキガエルに骨格がよく似ているとのこと。ヒキガエルはほとんど陸地で生活していますが、繁殖の間だけ水の中に入る習性を持っています。

ヒキガエルの交尾では、疲れ果てて溺死する個体が少なくないほか、1匹のメスに対して複数のオスが群がったりすると溺死のリスクはさらに高くなります。また、熱帯に住む一部の種は数時間しかない短い交尾期間でなるべく多く交尾しようとするので、池の近辺や水中で大量のカエルが死んで集団墓地のようになる現象が現代でも見られるとのこと。4500万年前の沼地で死んだおびただしい数のカエルたちも、このようにして命を落としたのではないかと研究チームは考えています。

by Stephen Lloyd-Smart

交尾のしすぎで大量に死ぬというのは少し間の抜けた話ですが、現代のカエルの死因としてはるかに多いのは交尾ではなく人間による水質汚染や生息地の破壊です。また、今回の研究に役立てられた化石を含む数々の貴重な資料が発掘されたガイゼルタール地方の露天掘り鉱山も、2000年代初頭にレクリエーション用の人造湖にするために水中に没しました。

フォーク氏は末尾で、「ティラノサウルスの隣で餌を食べていた太古の昔から、カエルはいくつかの大量絶滅や気候変動を乗り越え、木の上や花の中、ジャングルや砂漠などあらゆる場所に適応し、虹のようにカラフルな種から空を飛ぶ種まで多種多様な進化を遂げましたが、人間の影響で引き起こされる病気などには弱いものです。これ以上の種が失われるのは悲劇です」と訴えました。

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