「Googleの手数料徴収を回避する仕組み」に罰則を科したGoogleが韓国規制当局から警告を受ける

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「アプリストアにおけるサードパーティの決済システムを認めよ」という新法を施行した韓国でGoogleが同社の定めたサービス料を回避しようとするアプリに罰則を定めた一件について、韓国の通信規制当局がGoogleに対して「これ以上続けると事実関係について調査を行い、Playストアの売上の最大2%という罰金を科す」と警告を発したことが報じられました。

Google Loses Upper Hand on App Payments in South Korea – WSJ
https://www.wsj.com/articles/google-loses-upper-hand-on-app-payments-in-south-korea-11649168044

Google Can’t Punish Devs on Payment Workarounds | PYMNTS.com
https://www.pymnts.com/google/2022/google-cant-punish-south-korean-app-developers-who-offer-payment-workarounds/

South Korea Says Apple, Google Banning Apps for External Payments Could Trigger Probes | iPhone in Canada Blog
https://www.iphoneincanada.ca/news/south-korea-says-apple-google-banning-apps-for-external-payments-could-trigger-probes/

スマートフォンアプリはiOSの場合はApp Storeで、Androidの場合はGoogle Playでほぼ独占的に配布されているわけですが、App StoreやGoogle Playでアプリを購入する場合は決済システムがApple/Googleのものに固定されています。これは言い換えれば「スマートフォンアプリに課金するとAppleやGoogleの決済システムを使わざるを得ない」という状況となっており、AppleやGoogleはこの状況と「決済システムに割高な利用手数料を課す」という仕組みを利用して巨額の収益を得ていました。

アプリ課金にまつわるAppleやGoogleの慣行に対して非難の声が上がり続ける中、2021年8月に韓国が世界で初めてAppleやGoogleが続けてきた「自社決済システムの強要」を禁じる法律を制定しました。

GoogleやAppleのアプリストアを規制する法律が韓国で可決、独占的な支払いシステムの強要が禁止に – GIGAZINE


この韓国での新法成立を受けて、Googleは2021年11月にサードパーティの決済システムを容認するというポリシー改訂を実施。また、Appleも韓国の成立やApple対Epic Gamesの訴訟の結果を受けてポリシーを改訂しています。

Googleが韓国でサードパーティの決済システムを有効化 – GIGAZINE


ただしGoogleは韓国国内でサードパーティの決済システムを導入したアプリに対して「サービス手数料は4%ポイント値下げする」と設定。つまり開発者がサードパーティの決済システムを利用した場合でも、料率は低くなるものの手数料そのものは回避できないという仕組みに改訂しました。

サービス手数料 – Play Console ヘルプ
https://support.google.com/googleplay/android-developer/answer/112622

これに対し、韓国のアプリ開発者は「デジタル商品を購入できる外部ウェブサイトを呼び出すアプリ内リンク」を実装するという形で対抗していましたが、報道によるとGoogleはこうしたアプリに対してアップデートの配信を禁じ、2022年6月1日にGoogle Playから削除するという警告を発していたとのこと。

こうした状況について、新たにアメリカ報道大手のThe Wall Street Journalが「Googleの対応に韓国の規制当局が警告を発した」と報じました。The Wall Street Journalによると、上述の外部ウェブサイトを呼び出すアプリ内リンクを実装するというアプリ開発者側の措置を禁じるというのは、2021年8月に制定された自社決済システムの強要を禁じる法律に抵触しており、これを続ける場合は監査を行って違反期間中に発生した売上の2%に相当する罰金を科すと規制当局が警告したとのこと。

なお、AppleもGoogle同様にサードパーティ決済の売上に27%の手数料を課すと発表していますが、韓国規制当局のAppleに対する反応は今回報じられていません。

Appleがサードパーティー決済の売り上げに27%の手数料を課すと発表、開発者からは怒りと落胆の声 – GIGAZINE


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