クリエイター勢はいま悪戦苦闘の真っ只中にいる。コンテンツ制作に携わる人にとって、厳しい時代なのだ。ただ、TikTokによれば、そう悲観することもないという。もっと端的に言えば、TikTokと仕事をするならば、問題ない。それが、同社の発表した最新広告プロダクトの骨子だ。
契約のキャンセルに、支払期間の引き延ばし、さらにはプラットフォーム勢による報酬の見直しなど、クリエイター勢はいま悪戦苦闘の真っ只中にいる。コンテンツ制作に携わる人にとって、厳しい時代だ。ただ、TikTokによれば、そう悲観することもないという。もっと端的に言えば、TikTokと仕事をするならば、問題ない。それが、同社の発表した最新広告プロダクトの骨子だ。
TikTokのブランデッドコンテンツコラボレーションプラットフォーム、TikTok・クリエイター・マーケットプレイス(TikTok Creator Marketplace、以下TTCM)は先頃、数々のアップデートを導入した。その目的はすべて、ブランド勢が広範囲でクリエイターらを発見および活性化できる一助になるとともに、キャンペーンパフォーマンスの測定および最適化にある。
プラットフォームよりもTikTokが好まれる理由
デジタル広告エージェンシー、スプレッド・グレート・アイデアズ(Spread Great Ideas)の創業者ブライアン・デビッド・クレーン氏によれば、ブランデッドコンテンツやブランデッドハッシュタグチャレンジは、ユーザーエンゲージメントとインフルエンサーコラボレーションを意図したものであり、TikTokを大半の企業にとって好ましい広告メディアにする力がある、という。
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「広告は低予算で済むうえ、そうした動画の大半は高いクリック率が元々備わるユーザー生成動画からなる。それゆえ、大半の新規企業はほかのプラットフォームよりもTikTokを好む」と、同氏は話す。
スタティスタ(Statista)のデータによれば、TikTokの全世界における広告収入は2022年末までに50億4000万ドル(約7056億円)に達し、2023年末には64億ドル(約8960億円)、2024年末には82億ドル(約1兆1480億円)への成長が予想されている。ただし、Facebookは2021年、広告で1150億ドル(約16兆1000億円)近く稼いだ。この差を埋めるのは、一筋縄では行かない。
米DIGIDAYの独自調査によると、マーケティングの成功に対するマーケター勢の確信度に関し、TikTokは依然、先頭集団(つまりFacebook、インスタグラム、YouTube)に大きく水をあけられている。具体的な数字を挙げると、マーケティングの成功を確実にもたらしてくれるプラットフォームとして、52%のマーケターがFacebookを、42%がインスタグラムを、41%がYouTubeを挙げたのに対し、TikTokと回答した者は28%に留まった。
これを考えれば、TikTokがより多くのクリエイターを呼び込むべく、自らの広告ビジネスに時宜を得たアップデートを行なうとともに、新たな策の導入を決めたのは、不思議ではない。
アップデートの内容
同社が発表したアップデートは以下のとおり。
- TTCMマッチ:ブランドの概要に基づき、10秒以内に適切なクリエイターのリストを提供するレコメンデーション機能。
- アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアにおける、招待制のオープンアプリケーションキャンペーン。ブランドがTTCMのプラットフォームに今後のキャンペーンの詳細をアップでき、クリエイターがそれに応募できるようにする。
- リンクを奨励し、ブランドおよびエージェンシーが、TTCMに属さない者も含め(19歳以上ならば)どんなクリエイターとも仕事ができるようにする。
- ゲーミングアンカーを導入し、ゲームクリエイターが自身のコンテンツにゲームをダウンロードできるよう、iOSまたはAndroidアプリストアのリンクを貼れるようにする。また、コメントアンカーも導入し、クリエイターがコメントのトップにクリック可能なリンクを貼れるようにし、閲覧者はその動画で紹介されている商品またはサービスの詳細を知ることができる。
「オーディエンスはTikTokにおける成功の一部」
そして、広告主であるブランドに対しては、TTCMは現在、ブランデッドコンテンツのメトリクスを提供している。これには、オーディエンスの重複、オーディエンスインタレストの分布、スパークアド(Spark Ads)キャンペーンの日付などが含まれており、広告主はパフォーマンスおよびオーディエンスをより詳細に分析できる。
「オーディエンスはブランドが見なすTikTokにおける成功の一部であり、ユーザー数が増え続け、コンテンツが成熟するほど、広告主はターゲットオーディエンスをTikTok上で見つけやすくなる」とクレイン氏。「TikTokの広告フォーマットと、同社のパフォーマンス広告機能というアルゴリズムはパフォーマンス予算を増大させ続け、広告主のブランディング予算はそのユーザーベースと共に増えていく」。
Krystal Scanlon(翻訳:SI Japan、編集:黒田千聖)
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