「GPT-3」は人間と遜色ない文章を生み出し、人間との自然な対話も可能な文章生成AIです。文章作成やコーディングの支援に使われるGPT-3ですが、ソフトウェアエンジニアのマット・ビリュー氏はこれをメール返信時の定型文作成に用い、見事返信の自動化に成功しました。
Responding to recruiter emails with GPT-3 | Matt’s programming blog
https://matthewbilyeu.com/blog/2022-09-01/responding-to-recruiter-emails-with-gpt-3
ビリュー氏の下には企業からの求人メールが頻繁に届くそうですが、特に求職中というわけではないビリュー氏はメールの内容にはあまり興味がないそうです。しかし、放っておくと何度もメールを送ってくる企業もあるので、ビリュー氏は逐次確認して返信しているとのこと。これらはほとんど定型文を返す作業が続くため、作業を自動化しようと考えたそうです。
ビリュー氏が書いているという定型文はこんな感じ。
採用担当者名>さん、こんにちは。
お問い合わせいただきありがとうございます。 現時点では興味がありませんが、企業名>のことは頭に入れておきます。
– マット
今後の求職活動に役立てるため、常に相手の名前を書くことで関係を良好に保とうとしているというビリュー氏。しかし、これを自動化しようとすると少し複雑な処理が必要だそうです。
相手のメールから企業名と担当者名を抜き出すという作業は、単純なテキスト解析ではうまくいかず、エラーが発生しがちだとのこと。ここでビリュー氏が用いたのがGPT-3で、人それぞれ異なる文章から企業名と担当者名をうまく抜き出すことに成功したそうです。そして、抜き出した企業名と担当者名をあらかじめ用意しておいた定型文に組み込み、本文として用いているとのこと。
さらにIMAPとSMTPを使用して電子メールの読み取りと送信を行うスクリプトも組み、いくつかのメールで自動返信を行うことができたとビリュー氏は報告しています。このスクリプトはGitHubで公開されています。
GitHub – bi1yeu/recruiter_rm: A small utility to send personalized responses to recruiters
https://github.com/bi1yeu/recruiter_rm
ビリュー氏は「メールへの返信は定期的なタスクと化していますが、仮に私が週に4通のメールを受け取り、それぞれを読んで返信するのに2分かかると仮定すると、これを自動化することで年間約7時間の事務作業を軽減することができます」と述べました。
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