「ファクトと データ が第一」:25年間化粧品化学者だったビューティスタットCEO ロン・ロビンソン氏

DIGIDAY

美容業界は、皮膚科医、エステティシャンなどの専門家であふれており、競争が激しくなる市場で専門知識を活用しようとしている。だが、化粧品の科学者(製品を処方し、開発を監督する人)は、長いあいだ、裏方に徹していた。その状況を変えたのが、ロン・ロビンソン氏によるスキンケアブランド、ビューティスタットだ。

美容業界は、皮膚科医、エステティシャン、メイクアップアーティストといった専門家であふれており、ますます競争が激しくなる市場でそれぞれが専門知識を活用しようとしている。だが、化粧品の化学者(製品を処方し、開発を監督する人)は、長いあいだ、裏方に徹していた。その状況を変えたのが、ロン・ロビンソン氏によるスキンケアブランド、ビューティスタット(BeautyStat)だ。同ブランドはロビンソン氏が創業し、CEOを務めている。

エスティローダーカンパニーズ(Estée Lauder Companies)、エイボン(Avon)、レブロン(Revlon)、ロレアル(L’Oréal)など、ほぼすべての大手美容企業で25年間、化粧品化学者として勤務してきたロビンソン氏は、説得力のあるデータを武器に独立を決意した。ロビンソン氏は、市場に安定型ビタミンC美容液が欠如していることに気づくと同時に、GoogleでのビタミンCの検索データが強力であることに気がついた。こうしてビューティスタットは2019年に、いまやヘイリー・ビーバー氏が「聖杯」と呼ぶヒーロー製品、ユニバーサルCスキンリファイナー(Universal C Skin Refiner)を発売する。D2C専門の企業としてスタートした同ブランドは、バイオレットグレイ(Violet Grey)、ノードストロム(Nordstrom)、ダームストア(Dermstore)で販売されている。今年初めには、アルタビューティ(Ulta Beauty)にもローンチし、全米で展開中だ。

高品質の製品を処方することに関しては気楽に感じていたロビンソン氏だが、ここまで積極的に人前に出ていく創業者になるとは予想していなかった。

「消費者からあのように受け入れられるとは思ってもみなかった」とロビンソン氏はGlossyビューティポッドキャストの最新エピソードで語っている。「ブランドをローンチして、コンテンツクリエイターやインフルエンサーにブランドの顔になってもらったことはあるが、自分が毎回カメラの前に出て、『これが我々のビタミンCで、なぜこれを使うことが重要なのか、なぜ安定した形が必要なのか』を説明するたびに、消費者は耳を傾けてくれる。興味を持って質問してくれる。試してみたい、買ってみたいと思ってくれた」。

以下は、ポッドキャストで語られた内容を読みやすさのために要約し、編集を加えたものである。

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ニーズを満たす

「ニーズがあろうがなかろうが、私はデータと理解を求める化学者だ。(ビューティスタットは)あまり多くのマーケティングを行っていない。そういった形では運営していないからだ。私は事実とデータ第一主義だ。そして、そのデータが示すのは、消費者や美容エディターからの私に対する質問だ。『なぜビタミンCはそんなに安定化しにくいのか』『なぜ酸化するのか』『なぜ茶色やオレンジに変色して、製品の効果がなくなるのか』『それについてどうすればいいのか』『どうやってそれを買えばいいのか』。この手の質問を何度も何度も聞かされてきた。そこで私は『純粋なビタミンCを安定化させることができたなら、そしてオレンジ色にならず、酸化もせず、1滴目から最後の1滴まで効果を持続できる製品を提供することができたとしたら?』『それは画期的なことではないだろうか?』と考えた。そこで、化粧品化学者のチーム一緒に、数年間このタイプの製品の処方のために試行錯誤を繰り返した。およそ5年後に特許を申請し、それが発行され、すばらしい美学と強固な安定性のある処方を見つけたのだ」。

ブランドの顔になる

「あまり注目されたくはない。自分は聞き役だから。でも今回は、消費者が私の話を聞きたいと思っているので、そうせざるを得ないと感じている。なぜなら、繰り返しになるが、そこにニーズがあるなら、それを解決する手助けをしたいし、教育の手助けをしたいからだ。臨機応変にうまく対処しなくてはならないが、だんだんそれに慣れてきた。消費者のニーズに応え、ギャップを埋めるという、あくまで消費者のためにやることなので、だから気楽にできるようになったのだと思う」。

基本を把握する

「好調なのは、まちがいなくアルタとの拡張だ。本当にとてつもなく大きく成長することを期待している。今年は昨年に比べて40%の伸びが見られ、かなり興奮している。そのほとんどは、アルタビューティ内での拡大が要因だ。そしてあまりよくない面がD2C。多くのブランド、特にデジタルネイティブ・ブランドが苦戦していることは知っていると思う。どのブランドもiOSのアップデートで全体がリセットされ、顧客を発見して獲得するための、より低コストな方法を模索している最中だ。それは本当に、本当に難しい。事業を縮小するブランドも多く、私たちもそれを経験している。残念ながら、当社はすべての場所で成長が見られるようにするために、チャネル戦略を十分に多様化していなかった。そこで、アルタビューティで成長し、拡大してうまくやっていくことに力を入れるだけでなく、D2Cビジネスを安定させることにも注力していくつもりだ」。

[原文:BeautyStat’s Ron Robinson on putting ‘facts and data’ first]

PRIYA RAO(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)


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