D2Cベビーブランドが ペイドサーチ を最優先する理由:「検索は成長と需要に重要なチャネル」

DIGIDAY

D2C育児製品ブランドのグアバ・ファミリー(Guava Family)がペイドサーチ広告に望みを託し、Google検索広告への投資を始めたのは2019年のことだった。それから3年経った今、同業のD2Cブランドのあいだでは、TikTokやインフルエンサーマーケティングなどの広告チャネルが勢いを増しているが、同社のスタンスに変わりはない。

「平凡な手法だけを広く浅く試すよりも、成長という点でビジネスにもっとも有効であることがわかった手法に効果的に取り組みたいと考えている」と、グアバ・ファミリーでクリエイティブディレクターを務めるリード・シュミット氏はいう。カリフォルニア州に拠点を置く同社は、フルタイムの従業員が4人で、メディアバイイングとメディアプランニングには外部の広告エージェンシーを活用している。

2021年以降、このD2Cブランドは広告費のおよそ60%をGoogle検索とGoogleショッピングに費やした。この割合は、2020年と2019年の50%、および2018年の45%を上回るものだ。残りの広告費は、予算の20~30%を占めるFacebookとインスタグラム、そしておよそ10%を占めるAmazonに振り分けていると、シュミット氏は説明した。

プライバシー規制が投資を後押し

2022年、グアバ・ファミリーは、広告によって得られる売上の半分以上をメディア予算に充てる予定だ。同社は具体的な金額を明らかにしていないが、カンター(Kantar)によれば、グアバ・ファミリーの2021年のメディア支出は1326ドル(約16万7000円)超で、2020年の72ドル(約9100円)から増えている。ただし、カンターはソーシャル支出を追跡していないため、ソーシャル関連の金額は含まれていない。また、ネットワークラジオへの支出額は、2021年3月までのデータしか得られなかった。

グアバ・ファミリーは当初、広告予算の大部分をFacebookとインスタグラムに充てていた。だが、Facebookが発表したプライバシー設定の変更によって流れが変わり始め、2021年に「iOS 14」で実施されたデータプライバシー規制によってさらに変化が加速した。

「見込みがあるかどうかを確認するために、あちこちで少しずつ実験を行っていく」と、シュミット氏は話す。「ただし、見込みがあるとわかれば、ただちに全力で取り組み、その価値を最大化する方法を見つけ出すつもりだ」。

グアバ・ファミリーによれば、Googleのペイドサーチとショッピングから得られる売上は、前年同期比で増えているという。そのため、グアバ・ファミリーは自社の有料広告戦略にかなりの自信を持っている。ただし、その具体的な数値は明らかにしていない。

ペイドサーチは消費者ブランドのトレンドに

デジタル広告の世界は、データプライバシーに関する変更によって混乱が広がり、コストが上昇して、アトリビューションも困難になっている。そのため、グアバ・ファミリーは育児コミュニティで発生するオーガニックな口コミも頼りにしており、口コミを受けて製品を検索した人に購入を促していると、創設者兼CEOのスコット・クラムライン氏は話す。たとえば、「ベビーベッド」と検索した親に、同社のベビーベッド製品やセール情報の広告を表示するといった具合だ。

「当社は基本的に、口コミにきわめて強い体制を整えている。私たちが参入している市場は、もともと口コミの力が非常に強力なのだ」と、クラムライン氏は述べている。

検索広告に大きく賭けているのは、グアバ・ファミリーだけではない。パフォーマンスマーケティングを手がけるデジショップ・ガール(Digishop Girl)のCEO、カチャ・コンスタンティン氏によれば、消費者ブランドの多くがこのトレンドに乗っており、メディア予算の60%以上がGoogleのパフォーマンスマーケティングに費やされているという。

「広告ユニットが改善され、オンラインの買い物客が全体として増えたことで、検索は成長と需要の両方にとって極めて重要なチャネルとなった」と、コンスタンティン氏は話す。

結果が出なくなるまで続ける

もっとも、グアバ・ファミリーがほかのプラットフォームをテストしていないわけではない。同社は、Facebook、インスタグラム、YouTubeといったプラットフォームで、ユーザー生成コンテンツキャンペーンのテストを半年かけて実施している。

だが、ペイドサーチに関しては、結果が伸びなくなるまでテストを続け、それから他の製品に移行するというやり方をとっていると、シュミット氏は説明する。

「最終的に結果が頭打ちになったことがわかったときが、再び外に目を向け、ほかに何ができるのかを考えるタイミングだ。だが、頭打ちになるまでは、(ペイドサーチに)まだ価値があることになる」と、シュミット氏は語った。

[原文:‘There’s still more value there’: Why a DTC baby brand is dedicating more than half of its ad spend to paid search

Kimeko McCoy(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:分島翔平)

Source

タイトルとURLをコピーしました