NTT、「途切れにくいWeb会議」を実現する技術「Mintent」を確立 体感できない程度で画質を落とし、トラフィックを最大63%低減

INTERNET Watch

 日本電信電話株式会社(NTT)は8月30日、体感品質・データ通信量最適化技術「Mintent」を確立したと発表した。エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(NTTコムウェア)が提供するウェブ会議サービス「letaria」にMintentを組み込み実験したところ、人間が気が付かない程度に映像の品質を落とすことで、データ通信が最大63%低減できたとしている。

 NTTは、通信回線に求める要件は事業者が提供するサービスやユーザーによって異なることに注目し、Mintentの開発を進めてきた。例えば、Web会議は途切れにくくしたい、動画配信の事業者はユーザーの視聴時間を長くしたい、コネクテッドカーのサービス提供者は車内外の状況から異常を検知したいという要件がある。

 その1つとしてWeb会議を挙げている。現在のWeb会議サービスは、通信速度が高い回線に接続すると、なるべく画質を高めようと過剰なデータ通信で映像を送信することがある。そのため、ループットが大きく変動すると映像のビットレートを低くする処理が間に合わず、Web会議が途切れてしまうことがあった。

 Mintentを用いると、Web会議サーバーのビットレートなどの映像情報から、十数秒後にユーザーの体感品質が適正品質を満たすデータ通信量を計算し、各端末に指示。これにより、適性品質を満たしつつ、データ通信量を削減でき、途切れにくいWeb会議が実現できた。

「Mintent」を採用したWeb会議のネットワーク図

 2021年3月からは、NTTコムウェアと共同で「途切れにくいWeb会議」の実験を行っている。実験は、NTTコムウェアのWeb会議サービス「letaria」にMintentを組み込んで実施。PCは2台、スマートフォンは1台用意し、Web会議を行って体感品質とデータ通信量を計測した。

 その結果、5段階で画質を評価する「体感品質」では、Mintentを導入した場合は3.5と4の中間程度、従来技術は4.5に近い数字になっている。また、端末ごとのデータ通信量の平均値は、Mintent導入時は8MB程度、従来技術では20MBを超えるという結果となった。このようにMintentを導入したほうが従来技術よりも体感品質は低いという結果になった。

端末ごとの体感品質の平均値

端末ごとのデータ通信量の平均値(MB)

 しかし、NTTの「映像品質の主観評価法」では、体感品質を5段階で示した場合、3.5は「ふつう以上」と評価する利用者が90%以上になるとの結果がある。これを踏まえると、従来技術ではWeb会議システムを高速回線に接続すると、体感できない程度の画質向上のため、データ通信量が多くなるとしている。

 そのため、Mintentを導入した場合は、体感できない程度で画質を落とすことで、従来技術と比較してデータ通信量を最大63%低減できることが確認できたとしている。

 NTTは、Mintentを開発した理由として、各種サービスの要件を満たすには、ネットワーク、クラウドサーバー、アプリケーションのリソースを無制限に用意する必要があるため、現実的ではないことを挙げている。そのため、ネットワーク、クラウドサーバー、アプリケーションの情報を収集し数値化する技術を確立し、その情報に基づき回線やネットワーク機器を制御することが重要になるとしている。

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