まるで芸術作品。
月や火星への移住があと数年、数十年後に実現しそうな人類。夢と希望はありますが、過酷な環境なのでイーロン・マスクが「火星に行ったら最初はたくさんの人が死ぬだろうね」なんて話をするくらいです。厳しさの理由は空気や水や食料など、枚挙に暇がありませんが…目に見えない重力も非常に大事な要素です。
そこで京都大学と鹿島建設が手を取り合い、自転による遠心力で人工重力を生み出す居住施設「ルナグラス」と「マーズグラス」の構想を発表しました。
花瓶のような「ルナグラス」
花瓶のような形の「ルナグラス」は、直径がおよそ100mで高さが400mと超巨大。1周するのに20秒を要し、回転により1Gの重力を生み出します。縮小生態系を形成する「コアバイオーム」には内側に水が張られ、ボートがへばり付くように運行します。
モノレールのような交通機関「ヘキサトラック」も考案され、ちょっと離れた「ルナグラス」との間を繋ぎます。ちなみに、どのように「ルナグラス」を回すのか、エネルギーについては検討中であるものの、「原子力はできれば避けたいですね」と動画のコメントに返信がありました。
「マーズグラス」は洒落たワイングラスみたい
地球と比べると重力が1/3の火星。「マーズグラス」も「ルナグラス」とほぼ同じコンセプトです。こちらは脚のデザインや、建物の階層が浮いている辺りに、ファンタジーっぽさが感じられます。
これらはSF映画『インターステラー』や、『2001年宇宙の旅』でも見たメカニズムと似ています。もし実現したら胸アツですね。
2050年には実現なるか?
発表会では、同じく回転しながら星間移動する乗り物「スペースエクスプレス」も発表され、「2050年には何らかの形で月面で構想を実現したい」とのこと。
重力は大事!
人は重力がないと身体が弱るので、国際宇宙ステーション(ISS)では毎日のようにハードな運動が必要となります。重力がないと、背骨や筋肉が身体を支える必要がなくなっちゃうんですよね。でも人工重力が発生していれば、面倒なトレーニングは不要になります。だけど常に回っていたら、目眩や乗り物酔いしませんかねぇ?
Source: YouTube (1, 2, 3) via Futurism, Mashable, 京都大学, 鹿島建設