想像してみてほしい。
あなたの家、まさにそのテーブルの上に、シンプルで美しいグラスがあることを。そのグラスにお湯を注いでお茶を飲み、電子レンジで温めなおすその時を。
以前「短い記事」だったこのコーナーが、「ちょっと聞いてよ」という名前に変わったことにお気づきだろうか。
どうやらこの場所は、我々ライターが「ちょっと聞いてほしいこと」を書いてもいい場になったらしい。それならばまさに今、聞いてほしいことがある。
筆者は自他共に認めるグラス収集家だ。
いま現在、飲み物用のグラスだけで70個ほどを持っており、さらに昨日注文した10個ほどのグラスが近日中に届く。念の為言っておくが筆者の口はひとつである。
その中でも、このグラスがあまりにもいい。
これはインドの理化学用グラスメーカー、BOROSIL社のVISION GLASSという製品。ムンバイに本社があり、フラスコやビーカーを生産している会社で、VISION GLASSは家庭用に使えるシリーズだ。
理化学用グラスメーカーが作っているため、素材はビーカーなどと同じホウケイ酸ガラス。350度までの高温に耐えるため、熱湯や電子レンジはもちろん、なんと直火にも使える。
冷めてもそのまま電子レンジで温め直せばいい。ガラス製品に対する常識がバグって、いつかBOROSILの製品しか使えなくなるのではという恐怖がある。
このリドはソーダガラスのため非耐熱だし、つけたからといって密閉性もない。
しかし、蓋がされただけでこの…理科の実験器具っぽさがグッと深まるのがたまらないのだ。何を入れようかとワクワクしてしまう。
見た目はシンプルなグラスなのに、料理を入れて電子レンジで温めたり、小麦粉の生地をオーブンで焼いて小さなケーキを作ったりすることができる。
価格はサイズによって、ひとつ700〜1,500円ほど。機能とデザインから考えるとちょっと動揺するくらい安い。動揺した結果がグラスの多頭飼いである。
コーヒーを入れたらレンジで温め直せるし、オーブンウェアや簡易保存容器にも…さあ、もう筆者が推したい気持ちが分かっただろう。
この形のグラスで側面も底も厚みが均一なものは珍しい。使ってみていただいたら分かるだろうが、不思議な高級感というか、特別感を孕むのだ。
BOROSIL社のVISION GLASS。ぜひいちどお試しあれ。