ローンチから2年になるアルタビューティ(Ulta Beauty)のコンシャス・ビューティ(Conscious Beauty)・プログラムは拡大し続けている。
アルタビューティは、5月26日、2022年度のコンシャス・ビューティ顧問委員会を発表、委員会にはビューティ業界の重役5人が加わった。その顔ぶれは、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)のグローバル持続可能性・シチズンシップ・ブランドコミュニケーション担当バイスプレジデントのアニトラ・マーシュ氏、ブリオジオ(Briogeo)の創業者兼CEOであるナンシー・トワイン氏、ファーマシー(Farmacy)とSk*pの共同創業者であるマーク・ヴィーダー氏、ピーチ&リリー(Peach & Lily)の創業者兼CEOのアリシア・ユン氏。そして、アルタビューティの企業戦略・変革担当シニアバイスプレジデントのクリスティン・ウルフ氏だ。
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コンシャス・ビューティプログラムの現状
アルタビューティのコンシャス・ビューティは、クリーンな成分、持続可能性、ビーガン、虐待フリー、社会的影響という5つの「柱」を掲げて2020年10月にローンチした。過去5年間に増加しているクリーンビューティ製品と持続可能な包装の需要に応じてビューティ小売業者が取り組みを拡大する状況のなかで、このプログラムは立ち上げられた。
このプログラムの参加ブランド数は現在288。ブランドは5つの柱のうち1つ以上において認定を受けており、顧問委員会はプログラムの参加ガイドラインの更新と発展に対して意見を提供している。
ウルフ氏は次のように述べている。「これらの柱に幅広くフォーカスする目的は、クリーンで持続可能なビューティを求めているカスタマージャーニーにおいて彼らがいる場所で出会うことだ。また、製品を選ぶため、そして混雑していて時には戸惑うスペースをナビゲートするための選択肢とガイダンスと透明性を提供する」。
ブランド参加の基準は「たゆまず進化し続ける」ことだとウルフ氏は言う。顧問委員会はまた、アルタの「フリー(何かを含まずに作られた)」リストに加える成分に関する洞察と推奨事項を提供し、持続可能性へのフォーカスに関するフィードバックも提供している。現在、アルタの目標は、2025年末までに品揃えのパッケージの50%をリサイクル、バイオソース、リサイクル可能、または詰め替え可能にすることである。
トワイン氏は、eメールで「アルタビューティ顧問委員会におけるコンシャス・ビューティは、ブランドや小売業者全体で真の変革と持続可能性の向上のための取り組みに向けたコラボレーション、会話、行動の強化に対する業界のニーズを浮き彫りにしている」と述べている。
今年も引き続き任務を負う顧問委員会の既存のメンバーには、クレドビューティ(Credo Beauty)の共同創業者でCOOのアニー・ジャクソン氏、米国ロレアル(L’Oréal USA)の米国サプライチェーン・リュクス担当バイスプレジデントのアニッシュ・バック氏、パシフィカビューティ(Pacifica Beauty)の創業者兼CEOのブルック・ハーヴェイ・テイラー氏。アルタビューティからは、最高マーチャンダイジング責任者のモニカ・アルナウド氏と最高マーケティング責任者のシェリー・ハウス氏の2人がいる。
クリーンな製品を求める消費者に寄り添う目的
「クリーン」認定を受けるために製品に使用しない成分を記載したアルタのフリー(なしで作られた)リストは激論に激論を重ねて決定されると述べているのは、ジュースビューティ(Juice Beauty)を創業したカレン・ベンケ氏だ。同氏はこの委員会に最初から参加しているメンバーであり、ジュースビューティ製品はアルタビューティで11年間販売されている。
「フリー(何かを含まずに作られた)」成分リストは最初は29だったが、今では37成分。ベンケ氏によると、「ブランドがクリーン成分の方向に進むことは大きな一歩だ」という。
「アルタが成功を収めているのは、この取り組みを強化してクリーンな成分と持続可能なパッケージについて深く考慮している点だ」とベンケ氏。「基準を勝手に決めて、それに即時に対応して準拠するように皆に期待することはできない」。
ビューティ小売業者らは成分と持続可能性の基準を次々と増やしている。アルタビューティのコンシャス・ビューティのローンチに続いて、セフォラ(Sephora)は、2018年に立ち上げた自社のクリーン・アット・セフォラ(Clean at Sephora)・プログラムの「プラネット・ポジティブ(Planet Positive)」認定を2021年に追加している。
コンシャス・ビューティへの今後の投資のために、アルタは「成分の動的検索のようなより高度なデジタル機能」のローンチも計画している。また、ソーシャルチャネルを介した消費者教育へのフォーカスの強化も予定されている。
ウルフ氏とベンケ氏によると、ミレニアル世代とZ世代はコンシャス認定のある製品の需要を推進するのに特に貢献しているという。
「顧客教育は途切れることはない」とベンケ氏。「人々は知りたがっており、情報を収集している」。
[原文:Ulta ramps up Conscious Beauty program with new advisory council]
LIZ FLORA(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)