iPhone合体型Mac
Appleはソフト×ハードの垂直統合型で、iPhone、Mac、iPadなどそろえるメリットもそこにありますが、2 in 1の製品展開には競合ほど積極的ではありません。iPadもPCと1台2役にできる素地はあるのに、あくまでもタブレットという認識です。
ただ2017年の出願特許を見ると、こんな風に、iPhoneをノートにカパッとはめる技術も用意されていたことがわかります。土台のところがバッテリー×モニターで、トラックパッドのところにiPhoneをはめると、そこがCPU、GPU、メモリ、ストレージの役目をこなしてPCになる、というもの。
その派生形で、iPadをキーボードの上にカパッとはめるとPCとして使える展開もあったりします。
セルフフィットのウォッチバンド
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の靴紐みたいな自動調整型ストラップ。2017年の出願特許です。
ウォッチで回収した生体データをもとに、ゆるめたりキツくしたりしてくれます。素材は、形状保持性能にすぐれた弾性合金。Apple Watchはほかにも内部ラチェットシステム、気体/液体ブラダー、バンド巻き込みカメラなんかもあって、謎特許の宝庫です。
コンサート撮影妨害技術
前のスマホが邪魔でライブが楽しめない!そんな苦情に対応したのが2016年取得の特許です。
iPhoneユーザーが写真や動画を撮影しようとすると、赤外線シグナルで録画を無効化するよう、スマホにメッセージが送信されるシステム。怒号の嵐だろうけど、これで目の前のライブに集中できますね。
窓(Windows)のない車
ネットでバズった特許。どっかの虚構新聞みたいだけど本物です。
窓をカメラに置き換えた車で、特許には「自立走行車の窓は全部/ほぼ全部ないので、景色と揺れが一致せず、車酔いになる恐れがある」、「そこで揺れと景色を一致させるVRシステムを活用する」と書かれていますよ。
Windowsは危ない、VRシステムのほうが安全、安価な小型車も中が広々♬というのがAppleの見方。こんなところでもアンチWindowsだねって言われてます。
タッチバーのあるキーボード
つい最近とった特許。
キーボード併用のiPad周辺機器には、iPadをいろんな向きでおけるバージョンがあるんですが、そのなかのひとつにこんなの発見です。
iPad背面にヒンジで嵌めると、ちっちゃなディスプレイにバッテリー残量や日時、カスタムメッセージなどが表示され、タッチバーそのもの。メインの画面から少しはみ出るバージョンもあって、タッチバーは廃止になっちゃったけど、こんなところで生き残っていたのか!となります。
もっとおとなしめのだと、Surface Proみたいに下にキーボードが吸い付いて、本みたいに閉じられたりもするし、カメラやプロジェクター、マイクみたいなものまで支えられるヒンジのコンセプトも。
コモドール64 Mac
こないだモジュール式ノートPC「Framework」から生まれたクールな改造を調べていたら、YouTubeチャンネル「 Elevated System Christopher “CJ” Peet」でFrameworkのメインボードをキーボードの筐体に入れたのがあったんだけど、同じようなことはAppleも考えていたみたい。
コモドール64の復刻版ともいうべき2020年出願特許で、パソコンをキーボードに積むアイディアを申請していました。特許の説明にはこうあります。
デスクトップPCを持ち歩くことは「不便だし浮きまくってひと苦労だ。特繁にリピするのは大変」
そりゃまあ、そうでしょう。そこでAppleがたどり着いたのが、電源、USB-Cポート、チップなどパソコンに必要なものすべてを積んだキーボードというわけです。それに近いものはRaspberry Piがもうやっちゃってるけど。
変幻自在のバーチャルキーボード
人は押し下し感のある打鍵が好き。でも去年Appleが取得したMacBook用ヴァーチャルキーボードを見ると、バタフライキーボードの失敗の教訓はどこへやらです。
特許の図に出ているのは、標準のQWERTYキー配列のキーボードと、左右がわかれるエルゴノミクス型、キーがボタンになったもの。
MacBookの土台部が真っ白なキャンバスになって、好みのレイアウトを呼び出して使えます。ワイヤレス充電のスポット、指紋読み取りのスポットなども用意でき、ボタン(タッチパッドなど)には単なるON/OFF作動のみならず、静電容量式かジェスチャー認識のコントロールが含まれそう。
Lenovoがもう類似のコンセプトのノートPCを出しているので(キーはeインクだけど)、まったくの新案というわけではありません。
シェイクで印刷
iPhone、iPod(今の在庫で製造終了)の「シェイクでシャッフル」には、印刷バージョンもあったんです。
2012年取得の「シェイクで印刷」特許は、本体を表裏にパタパタひっくり返しまくると印刷タスクをON/OFF切り替えできるもの。シェイクの動作があまりにもバカっぽいと言われ、Appleもそう思ったのか日の目を見ずに終わってしまいました。エンジニアにとっては、シェイクで削除したい記憶。
チーズおろし金iPhone
去年発見された特許。iPhoneに「3次元構造」を加えるアイディアです。3次元構造とは、「第1の面からボディに伸びる1列目の穴の第1のパターンを定義するボディと、第2の面からボディに伸びる2列目の穴の第2のパターンを定義するボディを含む場合がある。単一または複数の第1の穴が、単一または複数の第2の穴と交差してボディの開口部のパターンを定義する構造」とのこと。
何がなんだか…ですが、Appleが提出した図を見ると、あ、なんだ、おろし金のことか!ってすぐわかります。性能にはプラスということだけど、見なかったことにしたい見た目です。
バイブ内蔵ソックス
確かな筋からの情報が誤りでなければ、Appleも独自のAR/VRヘッドギアを開発中なわけですが、足元もぬかりはありませんよ。
2021年の特許では、触覚出力ソックスも開発していることが明らかになりました。ソックスといっても、足に貼るだけで、靴下や靴じゃない可能性もありますけどね。
1箇所に留まっているのに、いろんな地面を歩いたり、いろんな方角を歩いている気分だけ味わえる技術です。特許には、未来のVRの没入感に新たなレイヤーを加える、あらゆる種類のセンサーの名前が出てきています。