仮想現実(VR)ゴーグルを装着して利用するコンテンツの場合、文字入力の方法には工夫が必要だ。ユーザーから周囲が見えないため、PCのような通常のキーボード入力手段は使いにくい。
これに対し、Appleは視線を活用して文字入力する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月26日に「SELECTING A TEXT INPUT FIELD USING EYE GAZE」(特許番号「US 11,314,396 B2」)として登録された。出願日は2019年4月24日、公開日は2021年8月5日(公開特許番号「US 2021/0240331 A1」)。
登録されたAppleの特許(出典:USPTO)
この特許で説明された技術は、ディスプレイを搭載した電子デバイスで文字入力する際、ユーザーがテキスト入力フィールドを見ているかどうかに応じて動作を切り替える。デバイスの種類を限定していないが、実施例ではVRゴーグルを使って説明している。
VRゴーグルを想定(出典:USPTO)
ユーザーがどこを見ているかは、デバイスに付属する視線センサーで判断する。そして、テキスト入力フィールドを見ていれば、接続された何らかのテキスト入力デバイスから得た文字をその入力フィールドに出す。
視線がテキスト入力フィールドに向いていない場合は、テキスト入力デバイスから文字データを得ても表示しない。さらに、視線がずれていると警告する。
視線のある場所(黒丸)に文字を入力(出典:USPTO)
テキスト入力デバイスとしては、クレーム(請求項)で音声入力やキーボード、タッチパッドに言及している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。