オムニコムのアナレクト、消費者カード購入情報を独占入手:アフィニティとの提携で

DIGIDAY

Warning: file_put_contents(): Only 36864 of 181093 bytes written, possibly out of free disk space in /home/ss144085/okane.robots.jp/public_html/wp-content/themes/cocoon-master/lib/utils.php on line 1905

オムニコムメディアグループ(Omnicom Media Group)のデータ・分析部門アナレクト(Annalect)とアフィニティソリューションズ(Affinity Solutions)が提携。アフィニティはクレジットカードとデビットカードの取引情報に基づく大規模なデータソリューションを提供している。

オムニコムメディアグループ(Omnicom Media Group)の傘下にあるデータ・分析部門のアナレクト(Annalect)と、アフィニティソリューションズ(Affinity Solutions)が提携を結んだ。アナレクトはオムニコムが所有するマーケティングオーケストレーションプラットフォームの「オムニ(Omni)」を管理運営する組織である。一方、アフィニティはクレジットカードとデビットカードの取引情報に基づく大規模なデータソリューションを提供している。

両社が結んだ複数年の独占契約により、アフィニティのデータプラットフォーム「パノラマ(Panorama)」のデータソリューションを、オムニのプラットフォームから直接利用できるようになる。パノラマは3000超の銀行が保有する消費者約9000万人のクレジットカードおよびデビットカードの利用情報をほぼリアルタイムで保管・分析している。オムニコムは、このデータを活用することにより、クライアントのマーケティング施策の成果をより効果的に測定したい考えだ。一方、アナレクトが管理運営するオムニのオペレーティングシステムには、2億5000万人の消費者情報を格納したデータベースが搭載されている。

クロスチャネルの在庫の評価に強み

いずれの当事者も金銭的な条件は開示していないが、アフィニティがこのような提携を結ぶのはオムニコムが初めてという。オムニコムは、アフィニティが持つ消費者の取引情報だけでなく、購入に基づいてメディアをスコア化する機能にもアクセスできるようになる。このメディアのスコアリング機能について、アフィニティのジョナサン・シルヴァー最高経営責任者(CEO)は、個人の信用力を可視化する「FICOスコア(信用スコア)」になぞらえ、特にクロスチャネルの広告在庫の評価に強みがあると述べている。今後、オムニコムのクライアントは、多様な広告カテゴリーで支出をおこなう実際の購入者とその支出水準に基づいて、マーケティング投資を評価し、最適化できるようになる。「つまり、広告主は非常に新鮮な、文字通り前日の決定論的データを活用して、より効果的な意思決定をおこなえるということだ」とシルヴァー氏は結論した。

この契約以前も、オムニで消費者の購入傾向を判断することはできたが、主要なカテゴリーをすべて網羅するような購入データはなかったと、アナレクトのグローバルチーフエクスペリエンスオフィサーを務めるクラリッサ・シーズン氏は話す。「たとえば、我々のクライアントであるクロロックス(Clorox)は、ヒドゥンバレーランチ(Hidden Valley Ranch)というブランドのドレッシングを販売している。誰かがこのドレッシングを買ったという事実を知ることはできても、具体的な購入場所は分からなかった。ターゲット(Target)なのか、コストコ(Costco)なのか、アルバートソン(Albertson)なのか、それともグリスティーディス(Gristedes)なのか。アフィニティのデータセットがあれば、消費者の購入行動について、これまで分からなかった部分を補完できる」。

メディアエージェンシーは決定論的な成果を出すために、さまざまな取り組みを行っており、この提携はその一歩前進だとアナレクトのシーズン氏は語る。「我々がこの提携を結んだ理由はより良い結果を出すためで、それはオムニの理念の中核でもある。そもそもオムニはクライアントのためにより良い結果を出すために開発された」。さらにシーズン氏は、良質で有益な広告体験はその一部であり、それはより多くの購入を促すだけでなく、効率の改善にもつながると強調した。

アフィニティが保持する優位性とは

一方、IPGも傘下のアクシオム(Acxiom)を通じて膨大な消費者データベースを所有し、活用している。IPGとの比較を問われたシーズン氏は、いくつかの違いを挙げた。「クレジットカードに関する限り、アクシオムのデータはアフィニティほど粒度が高くない。アクシオムが持っているのは主に信用調査機関のデータだ。消費者が購入するブランドや頻度までは把握できない」。

アフィニティのシルヴァー氏は競合するデータ企業を過小評価つもりはないとしながらも、こう指摘する。「アクシオムのデータの大部分はプロキシ(代用)データだ。我々にプロキシデータは必要ない。消費者の実際の購入行動を見て、自分たちの製品やサービスの潜在的な顧客であるか否かを直接判断できるのだから」。同氏はさらに、消費者のプライバシーを保護する必要上、アフィニティのデータが完全に匿名化された集計ベースのデータであることにも言及した。

フォレスター(Forrester)のバイスプレジデントでグローバルエージェンシーアナリストのジェイ・パティソール氏は、競合他社のデータソリューションに対するアフィニティの優位性は、そのスコアリング機能にあると指摘する。「IPGもビュブリシスも、それぞれのデータテクノロジーの一環として、取引データやオーディエンスのスコアリングを活用している。オーディエンス分析に購買データを活用すること自体は特別なことではない」と同氏は話す。「しかし、メディアの最適化と購入パターンに紐付くスコアリングは、オムニと他社のプラットフォームを明確に区別する立派な差別化要因だ」。

パノラマへのアクセスを希望するエージェンシーはほかにもあるだろう。なぜアフィニティはオムニコムとの独占契約を選択したのだろうか。この問いに対して、「ビジョン、インテグレーションの容易さ、共同作業をすばやく多面的に進められるという点で、正しい決断だった」とシルヴァー氏は述べている。「将来的にアフィニティを利用できるパートナーが増えるとしても、当面は、我々のソリューションの差別化を図るために、オムニコムとさまざまな取り組みを進めていきたい」。

[原文:Omnicom’s Annalect lands exclusive access to a massive trove of consumer card-purchase information

MICHAEL BÜRGI(翻訳:英じゅんこ、編集:長田真)


Source

タイトルとURLをコピーしました