メタバースとは、アバターなどを使って他の人と交流することができるオンライン上の空間のことである。
新型コロナウイルスの影響でインターネットを介して人と触れ合うことも多くなり、見かけたことのある方も多いのではないだろうか。
ただ、そんな便利なメタバースにも問題点はある。インターネット上では誰もが匿名で発言できる上に言葉だけでやりとりすることも多いため、現実世界よりも注意を払わないと人間関係のトラブルが起こってしまうこともある。
しかし先日、そんなトラブルを皆がハトになることで解決するメタバースが登場したとの情報をゲット。
さっそく潜入してきたんだけど……あれ? 思ったより平和じゃないのでは?
・平和な世界のはずなのに
……なんだこれ。
アプリを開いた瞬間でかでかと表示された「HATO VERSE(ハトバース)」の文字。しかもなんか「ハトバース……ハトバース……」という歌詞(?)を伴った謎のBGMまで流れている。
いや、確かにアイコンの時点で「クセ強……」とは思ったけれど、最初からアクセル全開すぎる。
と、ともかくさっそくログインしてみよう! GOボタンをタップしてみると……
何ィ──ッッッッ!?
どうやらハトバースの世界に入れるのは20人までが限界らしい。えっ、何億人もの人がいるこのインターネット空間の中で、ログインできるのはたったの20人ってこと!?
平和な世界に入ろうとしているのに、ログイン権を巡って戦争が起こりそうだ。その後何度かトライしてみたものの、結局この時は1度もハトバースに入ることはできなかった。無念。
ちなみに、筆者がログインに挑戦したのは平日の午後15時頃。それでもこの競争率だったので、いかにハトバースへの切符が入手困難であるかがお分かりいただけると思う。
この条件が厳しすぎたのか、2022年4月9日に同時接続人数が30人に増えたそうだ。いや、それでも少ない気がするんだけど……。
・意外と楽しい
翌日午前4時。多くの人が眠っているであろう時間を狙ったことが功を奏したのか、ようやくハトバースの世界に降り立つことができた。
操作するのは、やたらリアルな1羽のハト。このハトは……
移動することと……
辺りを見回すことと……
あと「プルップゥ」となんか人っぽく鳴きながら、ちょっと羽ばたかせることができる。
確かにこれなら争いを起こす方が難しそうだけど……やることがなさすぎて、すぐ飽きてしまうかも……?
ところが、広々としたワールドはただ歩いているだけでも意外と楽しい。飛び乗るとちゃんと重い方が下がるシーソーがあったり……
ハトの世界のはずなのになぜかニワトリが紛れていたり。急にバサバサと動き出すのでびっくりする。
他のハトの動きを観察するのも興味深い。自分もハトだけど、公園のハトをぼんやり眺めているような気持ちになった。
・まさかのゲームーオーバー
そんなこんなでうろうろ探検していると、鬱蒼(うっそう)とした森から一転、明るい草原に出た。おぉ~、開放感に溢れてる! もしかして、こっちにも何かあるのかな?
さらに進んでみると、何やら地面の様子がおかしい。
う~ん、これは普段こういうゲームにほとんど触れたことのない筆者でも分かる。
明らかに危険なにおいしかしないよね……さすがにこれ以上進むのはやめておいた方がいいか。よし、引き返そ
「プルップゥ」
あ。
まさかの誤タップをかまし、盛大にジャンプしてしまった。きれいな放物線を描き、オレンジ色の空に吸い込まれていくハト。
……そして訪れた静寂。何度移動やジャンプをしてみても、目の前に広がるのは綺麗な青色の空ばかり。……詰んだ。
・好奇心はハトをも殺す
思わぬ形でゲームオーバーしてしまった筆者は、泣く泣くハトバースから退出したのだった。皆さんもハトバースを訪れる機会があったら、あまり端っこには行きすぎないようにしてほしい。
とはいえ、筆者のように変な動きをしなければ間違いなく平和にハト同士の交流を楽しめるゲーム「ハトバース」。人間であることに疲れた時には、ハトの世界を体験してみるのもまた一興かもしれない。