ブランド認知 向上を目指した、ヘアケアブランド、 アミカの新たなメディア戦略とは?

DIGIDAY

エスペラント語で「友人」を意味するヘアケアブランドのアミカ(Amika)は、マーケティング戦略を大幅に見直し、2022年末までに消費者から広く知られるブランドに成長することを新しい目標に掲げている。今年、アミカはブランド認知向上のため、有料の認知度の高いメディアに多額の段階的な投資を進めていく。

エスペラント語で「友人」を意味するヘアケアブランドのアミカ(Amika)は、マーケティング戦略を大幅に見直し、2022年末までに消費者から広く知られるブランドに成長することを新しい目標に掲げている。

2022年マーケティング戦略の詳細

アミカは、3月1日、「ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ(Love All Your Hair Days、髪の調子が良い日も悪い日も自分の髪を愛する)」と名付けられたブランド認知キャンペーンを開始した。自己表現を祝うために開発されたこのキャンペーンは、同社が新しく投資するメディアミックス戦略の基礎となる。新戦略は、エディトリアルプレイスメント、広報、プロのスタイリストへのフォーカスという従来のマーケティングツールキットを超えて拡張される。たとえば、同社は、このキャンペーンで家庭外広告とCTV広告のテストを行っている。2022年を通じて、インフルエンサーマーケティング、有料ソーシャル広告、ビューティボックスのサブスクリプションを介したサンプリングへの投資も増やす予定である。

このようなマーケティングの大規模な見直しは、アミカにとって初めてのものではない。2020年12月、「オール・ヘア・イズ・ウェルカム(All Hair is Welcome、どんな髪も歓迎)」というキャンペーンで新たなコミュニケーション戦略を発表して、コミュニティを中心にしたインクルーシブなトーンを押し出した。「ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ」はそのアプローチを継続するもので、アミカ製品は誰にでも使えることを消費者に示す狙いがある。

アミカのシニアバイスプレジデント、ケリー・マーティン氏は次のように述べている。「『ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ』キャンペーンは、2022年に強化している認知度向上戦略のフェーズ1だ。我々のマーケティングはこれまで少しグラツルーツだった。認知度はあったが、それは低予算の戦術によるものだった。有料メディアはサイトへの売上を推進する目標到達プロセスの低〜中レベルだった。2022年には、ブランド認知向上のため、有料の認知度の高いメディアに多額の段階的な投資を進めていく」。

意欲的な広告戦略

アミカは、このキャンペーンのコンセプトと制作のためにブルックリン拠点の広告代理店、RXMクリエイティブ(RXM Creative)と提携した。ローンチ以来、「ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ」は、コネクテッドHulu TV広告、有料ソーシャル広告、家庭外広告で展開されている。家庭外広告は、ロサンゼルスのショッピングセンター、ザ・グローブ(The Grove)にある一連のビルボードと動画ビルボードで実施されたが、これはニューヨーク市以外のブランドとしては初めてのものである。マーティン氏によると、アミカは同ショッピングセンター内に7つのプレイスメントがあり、3月1日から4月15日までの間に260万回のインプレッションが見込まれている。このキャンペーンには、多様なモデルを起用し、「ヘアデイ」のシナリオを親しみやすくメッセージ化することで、ヘアケアとスタイリングに関する感情的な面に関して消費者が共感できるアプローチを伝える目的がある。たとえば、メッセージには、アミカの主力製品であるパークアップドライシャンプー(Perk Up Dry Shampoo)に触れつつ、「ノーシャンプーの3日間(3 Days No Wash Hair Day)」というものがある。

アミカは2022年のマーケティングと広告予算を2倍に増やし、その80%はTikTokやYouTubeなどの動画プラットフォームと接続しているHulu TV広告に費やされる。同社は、2021年にTikTokの動画インプレッションの500%増加を経験しており、これにより動画への投資がいっそう促進されることになった。マーティン氏によると、アミカはキャンペーン予算の残りの20%をロサンゼルスの家庭外広告に投資しているという。

アミカが8000人を対象に実施した2018年の消費者調査では、同社はパッケージでは認知されていたものの、ブランディングや製品、美学のあいだには乖離があったことが判明した。マーティン氏によると、2021年の夏、5000人を超える人々を対象に行った別の調査で、助成想起によるブランド認知度は31%に過ぎず、アミカは消費者にとってすぐ思い浮かぶブランドではなかったことが示唆されたそうだ。しかし、アミカの社長、チェルシー・リッグス氏はアミカの既存顧客はブランドを良く理解しており、これは「オール・ヘア・イズ・ウェルカム」キャンペーンが成功したことを示す肯定的な調査結果だったと述べている。

「『ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ』はたしかにアミカの使命と目的からインスピレーションを受けたものだが、(オール・ヘア・イズ・ウェルカムよりも)明白ではない。これは、当社の消費者とプレステージヘアケアブランドの消費者からの洞察、そして(消費者にとって)髪の調子の良い日とは何を意味するかということに基づいているからだ」とリッグス氏。

今後、アミカの1年間の投資には、サンプリングプログラムを3倍に成長させることがある。これには、4月のアルーア(Allure)ビューティボックスを通じた5.2万点のサンプル配布が含まれる。また、2022年を通して対面インフルエンサーイベントの計画が3つある。そのひとつは、「ラブ・オール・ユア・ヘア・デイズ」の規模のもので2022年半ばに予定されており、マーティン氏はこれを「ブランドエクイティモーメント」と呼んでいる。ほかの2つは規模は小さめだが製品にフォーカスしたもので、年間を通じて行われる予定だ。これには、3月中旬と4月に行われるインスタグラム、Snapchat、Pinterestでのドライシャンプーに関する「 #perksofperkup 」ハッシュタグキャンペーンがある。このハッシュタグキャンペーンでは、40万人から900万人のフォロワーを持つTikTokユーザー20人を起用し、動画のリーチを拡大を図る。これはアミカにとって最初の有料TikTokキャンペーンとなる。

[原文:Inside Amika hair care’s new media strategy aimed at amplifying brand awareness

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:黒田千聖)


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