ジョセフィーヌ・スクリバー氏とジャスミン・トゥークス氏は、ビクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)やトムフォード(Tom Ford)といった多くのブランドのモデルを10年以上務めてきた。現在、両氏は自分たちのブランドを築くことにフォーカスしている。
二人のアクティブウエアブランド、ジョジャ(Joja)が2月にローンチ。両氏のファーストネームの最初の2文字を組み合わせたこの名は、二人が2016年に始めたインスタグラムアカウントと同じ名前で、予想していたよりも多くのフォロワーを獲得している。
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「フィットネスへの情熱や健康維持、ワークアウトを続ける責任感から生まれたブランドだ」とトゥークス氏。「我々はインスタグラムに自分たちのワークアウトを投稿し始めたが、それはワークアウトをおたがいに共有するためだけの目的だった。だが、そのうちに世界中の若い女性たちがトレーニングを共有したり、ワークアウトを励ましあって行うようになった」。
現在、ジョジャのインスタグラムのフォロワーは70万人を超えており、このコミュニティからのジョジャの「グッズ」への要望がブランドのローンチを推進することになったのだった。創業者の二人はアクティブウェアを超えたブランドの拡張を計画している。
「ジョジャの世界を構築したいと思っている」とトゥークス氏は述べている。「いろいろなアイデアがある。健康とウェルネスを中心として、その下にプロテインドリンク、美容水、トレーニング機器などを立ち上げる楽しい機会になる。チャンスは無限だ」。
以下は、会話からの追加のハイライトである。読みやすさのために若干編集を加えてある。
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モデルから創業者への転身
トゥークス氏:
「2016年にジョジャを始めて、2年前に実際に何かを作ろうと決めた。なぜなら、いつ製品を販売するのかと聞かれ続けていたからだ。そこで何にしようか考えた。いろいろな方向を取ることができたが、フィットネス業界に参入する最良の方法は何だろうかと思った。我々が扱うコンテンツの多くは服に関するものだったので、それに注目した。『ほかのブランドを宣伝し続けるのではなく、コンテンツを制作するときに自分たちの服を着てみたらどうだろうか』と思った。
2年ほど取り組んできているが、もっとも苦労したのは製造工場を見つけることだった。なぜなら、我々はすべてを人任せにしないで関与して細かく指示するタイプだから。海外の工場を選んで、そこを信頼して進めるようなことはできなかった。現地に足を運んで、現場を見て、全工程が倫理的に行われていることを確認したかった。ジョー(スクリバー氏)と私は他人まかせにせず細かく関与しすぎかもしれない。『この部分の伸縮はこういうふうにして』など細かい注文をつけるので、メーカーからは度を越していると思われている。だが、それは、我々がこの10〜11年間、様々なブランドの服で試行錯誤してきて、好きなものもそうでないものも、いろいろな服を手元に持っているからだろう。
デザインプロセス全体にはものすごく時間や労力を投資している。そのために、予想していたよりも少し時間がかかった。だが、ジョジャは単に我々の名前をつなげただけのものではない。我々はゼロからしっかり学びたかった。何が必要か、テックパックの構築方法、ブランドの裏にあるすべてのことを実行する方法など。なので、ローンチまでに1年ほど余分にかかったと思う。それから、サプライチェーンに生地の調達などもあり、簡単ではない」。
コミュニティが推進するブランド
スクリバー氏:
「Genevaアプリに400人ほどの小さなグループがある。これはFacebookグループのようなものだ。ある意味で、メンバーらは服の選択に関与した。また、色についても投票した。色を決めるためにはおおいに助けてもらった。こうしてアクティブウェアを立ち上げると発表したのだが、メンバーらには今後のプロセスにもっと関与してもらうことになるだろう。キャンペーンのためにこのコミュニティを撮影した。ジョジャのフォロワーの女子たちにキャスティングに登録してもらい、撮影した。なぜなら、我々がしていることは彼女たちのためだから」。
モデル業の変化
スクリバー氏:
「我々がモデルを始めたとき、名前が表だって出ることはほとんどなかった。しかしいまはインフルエンサーの時代であり、インスタグラム、スナップチャット、ツイッターなどのプラットフォームが登場して、以前にはなかった発言の場がモデルに与えられた。ポートフォリオを抱えて歩き回る代わりに、ソーシャルメディアでポートフォリオを披露することが可能になった。自分の私的な面を見せたり舞台裏を見せたりする方法はこれまではなかったが、隠れた側面を見せることができるようになった。
そして、これはモデルのキャリアの進路をおおいに変えた。モデルが他人たちと本当につながることが可能になった。これはブランドとつながるときにも理にかなっている。なぜなら、ブランドにふさわしいモデルを確保したいから。モデルが、単にブランドの顔になるだけではなく、自分が好きで支援するブランドとつながれるように。これが素晴らしい点だと思う。いまではモデル業にはまったく違う要件がある。なぜなら、ブランドの顔になって売るだけではなく、個人的なレベルで顧客にリーチする必要があるから。…そのような学びの過程はとても楽しく、また、実際にはいろいろなことがコントロールできる手段でもあり、楽しくて自分が支援できるブランドと協働できるのはとても満足できることだ」。
JILL MANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)