ロールアウトの開始
東部標準時の3月17日午後5時47分に始まったロールアウトは3月18日午前4時15分に終了。39B発射台へのゆっくりとした旅路は10時間28分かかりました。
“象徴的な瞬間”
NASAの探査システム開発のTom Whitmeyer副次長補はプレスリリースに、「組立棟から出るのはこのロケットと宇宙船の象徴的な瞬間で、NASAにとっては鍵となるマイルストーンです」とコメントを寄せていました。
移動中のSLS
超重量級のロケットを4マイル(約6.4km)先にある発射台へと運ぶ重労働を担ったのはNASAの輸送機クローラー・トランスポーター2(CT-2)。クローラーは1800万ポンド(約8165t)の積載能力を有し、時速1マイル(約1.6km)に満たない速度で動きました。
50年以上前に製造されたCT-2はアルテミス計画のために改造されており、この先も長く使われる予定。
急がば回れ
SLSは現時点では4月3日に予定されているウェット・ドレス・リハーサルのために発射台に運ばれました。推進剤を充填した後、管制官たちがカウントダウンを行なうものの、ロケットを打ち上げる手前でストップするというリハーサルです。その後、推進剤を排出されたSLSは最終的な点検のために組立棟に戻されます。
ウェット・ドレスの成功で、SLS初の打ち上げとなるアルテミス1ミッションへの準備が整います。この歴史的な打ち上げの日程はまだ決まっておらず、NASAが決めるのはリハーサルからのデータの評価を終えた後になるでしょう。5月の打ち上げウィンドウがありましたが、夏になる可能性の方が高そうです。
月への旅
アルテミス1では、SLSがオリオン宇宙船を約25日間のミッションに送り出します。無人の宇宙船は月の周りの逆行軌道で6日間過ごしてから、地球に帰還。アルテミス2は宇宙飛行士たちが同じ旅路を辿り、アルテミス3では彼らが月面に着陸することが目標です。
探査の新時代
ビル・ネルソン長官は「この神聖で歴史的な場所から、人類は間もなく探査の新時代に乗り出します」と述べていました。「アルテミス1は月面、さらにはその先で人類のプレゼンスを向上させる、NASAの献身と能力を示してくれるでしょう」とのこと。