ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が世界的に問題視される中、FacebookやTwitterといったSNS各社もロシアに関連するメディアへの規制を強めています。そんなSNS各社の規制に対し、ロシア政府はTwitterやFacebookへのアクセスを制限することで報復していると報じられました。
Twitter and Facebook restricted in Russia amid conflict with Ukraine – NetBlocks
https://netblocks.org/reports/twitter-and-facebook-restricted-in-russia-amid-conflict-with-ukraine-JBZrogB6
Twitter says its site is being restricted in Russia | Reuters
https://www.reuters.com/technology/twitter-says-its-site-is-being-restricted-russia-2022-02-26/
Russia to restrict Facebook access for ‘censoring’ its media | Reuters
https://www.reuters.com/business/media-telecom/russia-limit-facebook-access-response-media-censorship-2022-02-25/
Russia Is Now Blocking Twitter
https://www.vice.com/en/article/jgmavx/russia-blocking-twitter
ロシアによるウクライナ軍事侵攻に関連してインターネットやSNSにおける情報合戦も盛んとなっており、SNS上では虚実が入り交じったさまざまな情報が氾濫しています。フェイクニュースの中には過去の紛争や軍事訓練の映像を流用したものや、シミュレーション映像を使用したものなどが確認されているほか、国営メディアによるプロパガンダも問題視されているとのこと。こうした状況を受けて、TwitterやFacebookなどのSNS企業はロシアの国営メディアによる広告掲載を禁止したほか、YouTubeはロシア国営メディアの動画から広告を剥奪する対抗策をとっています。
そんな中、世界各地のインターネット検閲について調査するデジタル擁護団体・NetBlocksは、Rostelecom・MTS・Beeline・MegaFonといったロシアの主要なプロバイダにより、2022年2月26日の9時(世界協定時)からTwitterへのアクセスがブロックされたことを報告しました。
⚠️ Confirmed: Live metrics show that Twitter has been restricted on multiple providers in #Russia as of 9:00 a.m. UTC; the incident comes as the government clashes with social media platforms over policy in relation to the #Ukraine conflict ????
???? Report: https://t.co/ihPX8fb86s pic.twitter.com/nGrcHzjIXd
— NetBlocks (@netblocks)
ロシアによる報復はFacebookに対しても行われており、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)バックエンドサーバーが主要なプロバイダで制限され、コンテンツの読み込みが遅くなったりプラットフォームの使用自体が不可能になったりしているとのこと。また、制限はメッセージングアプリであるFacebook Messengerにも及んでいることが確認されています。
⚠️ Confirmed: Facebook content servers are now restricted on #Russia‘s leading internet providers; the incident comes shortly after the restriction of Twitter as Russia clashes with social media companies over the invasion of Ukraine ????
???? Report: https://t.co/PzFZ662LyN pic.twitter.com/cOWMs731sO
— NetBlocks (@netblocks)
Facebookの親会社・Metaのグローバルアフェアーズ担当責任者を務めるニック・クレッグ氏は2月25日のTwitter投稿で、「ロシア当局が昨日、ロシアの国営メディア4団体がFacebookに投稿したコンテンツについて、独立したファクトチェックとラベル付けを停止するように命じました。私たちは拒否しました。その結果、当局はサービスの使用を制限すると発表しました」と述べました。
Ordinary Russians are using @Meta‘s apps to express themselves and organize for action. We want them to continue to make their voices heard, share what’s happening, and organize through Facebook, Instagram, WhatsApp and Messenger. pic.twitter.com/FjTovgslCe
— Nick Clegg (@nickclegg)
ロシアの連邦メディア・通信規制監督機関であるRoskomnadzorは、Facebookがロシア国営メディアに対する制限解除の要請を無視したと主張。「検察庁の決定に従って、2月25日からFacebookソーシャルネットワーク上で部分的なアクセス制限を課しています」と述べています。
なお、記事作成時点ではVPNを使用することでロシアからもTwitterやFacebookにアクセスすることが可能です。しかし、NetBlocksのディレクターを務めるAlp Toker氏は海外メディアのVICEに対し、「カジュアルで非技術的なユーザーにとっては、(VPNソフトウェアへのアクセスや導入ができないので)ほとんど意味がないでしょう」とコメントしました。
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