連絡は対面、暗号化、Android…アップルストアの労組準備がスパイ映画のよう

GIZMODO

プライバシーの守り人、Apple(アップル)。

でも中で働く人たちは通信内容が見られる不安に駆られてるみたい。

「ティム・クックCEOはボーナス9900万ドル(114億円)なのに店員は時給17~30ドル(約1960~3450円)そこそこ。1ドル程度の昇給じゃインフレにまったく追いつかない」「売上の36%はサイトとショップが担っているのに売上爆増が末端の社員に反映されていない」とAppleストア従業員が労組結成の準備を秘密裏に進めているとWashinton Postが報じているのですが、その記事のなかにこんなくだりがあって、Android Policeがさっそく見出しに引用していました

ストアの上司に察知されないよう、従業員らはこっそり会合を重ね、連絡には暗号化メッセージを利用。Apple iOSの競合OSであるAndroidのスマホを使うこともある。いずれも、Appleから盗聴される可能性を回避するための対策だ。

ある店舗で働くApple Store従業員が言うには、管理職はさっそく従業員を個別に呼び出して、労組なんか結成したら賃上げどころか賃下げになって、Appleも福利厚生や”キャリアエクスペリエンス”(成績優秀な従業員をApple本社に招待する制度。実名で取材に応じた元従業員のHerbstさんも経験したが、あまりキャリアアップにはつながらなかった)などの排除やむなしになるだろうし、ほかの従業員の迷惑になるだけだと諭しているのだという。何かほかのことするフリしながら、従業員同士の話を盗み聞きする管理職もいるらしい。

いやあ…。管理職もご苦労なこってす。

スタバに続け!

労組結成準備を進めているのは世界500以上のAppleストアのごく一部です。Washinton Postの取材に応じた匿名の情報筋によると、全米労働関係委員会(NLRB)からすでに応援を取り付けた拠点が少なくとも2拠点あり、さらに6店舗ほどが準備の初期段階にあるとのこと。

数は少ないけど、Starbucks(スターバックス)も最初の突破口はNY州バッファローの繁忙店1店舗でした。昨年8月から準備を進めて、12月の従業員投票で賛成多数により労組結成が可決。するとちいさな綻びから穴がわっと大きくなるように、我も我もと続いて、今や労組結成の動きは90店舗以上に拡大中です。ゼロを1にするのが難関なわけでして、2店舗と言えどもAppleも気が気じゃないんでしょね。

まあ、Starbucksはコロナのモバイルオーダー地獄でバリスタが悲鳴あげてるので不満の熱量が違いますし、同じことがAppleにも起こるかどうかはわからないけど(Amazon倉庫の労組結成は再三失敗し、NLRBに「妨害やめろ」と言われてる)、スタバの動きが大きな弾みになったことは確か。無事結成なる…のかな。

Sources: Washinton Post, Android Police, Gizmodo US

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