スキンランドリー の野心的なロケーション拡張計画:場所選定や宣伝の方法

DIGIDAY

スキンランドリー(Skin Laundry)は、2013年のローンチ以来、いくつかの段階を経て、ビジネスモデルを再調整しては物理的なスキンケア製品の品揃えを変えてきた。現在はレーザーフェイシャル事業が急成長の段階にある。

ロケーション数を大幅に増やす計画

スキンランドリーは、2022年末の時点ではサンフランシスコベイエリアの新規市場を含めて30拠点を抱えていた。しかし、2023年には米国内でこれまで進出していなかった6州でさらに30のロケーションを新規オープンする予定である。同社CEOのグレッグ・ソログマーティン氏は収益成長について具体的な情報は共有してくれなかったが、2023年には75万件以上の治療が行われると予想しているという。COO兼プレジデントのクリス・ケアリー氏によると、社歴10年の当社は2022年から2025年の間に収益を4倍に増やし、同期間の終わりまでに少なくとも125ロケーションを運営するという。同社の2018年の収益は1700万ドル(約22億円)。顧客の年齢の中央値は38歳だ。

詳細な顧客データから判明したこと

スキンランドリーは1年半ほど前、将来のロケーションを検討する際に顧客データの収集を開始し、初めての顧客を駆り立てた要因に関するパターンと相関関係を見つけた。初めての顧客数に注目する以外に、クリニックに近い顧客の郵便番号、勤務地、世帯収入などの要因を考慮した。ケアリー氏はこの行動を5要因の相関関係の調査と呼んだが、実際には25要因に近いものだったという。また得られたデータによって新規市場で似たような顧客グループを生成できるため、それは新規クリニックの場所を考慮するのに特に重要だと述べている。たとえば、2023年にコロラド州デンバーに新しいクリニックを3カ所オープンする予定がある。当初にはコロラド州ボールダーも検討されていたが、データによりボールダーには十分な顧客ベースがないことが示されたのだった。

「新型コロナウイルス感染症が収束しており、3年前と比べてプレミアム(小売)スペースの多くが割引価格で手に入れられる機会がある」とケアリー氏。「(当社の)ストーリーは極めて魅力的であり、市場には当社のようなブランドが急速に拡大する準備が整っていた」。

スキンランドリーの強み

スログマーティン氏とケアリー氏はスキンランドリーとほかのブティックメディカルスパとの関係を説明する際、業界が(あらゆる種類の選択肢にあふれている)チーズケーキファクトリー(Cheesecake Factory)なら、スキンランドリーは(シンプルな選択肢を提供する)イン・アンド・アウト・バーガー(In-N-Out)に相当するという、同じたとえを使った。

「当社が特別な理由のひとつにはレーザーフォーカス(訳注:レーザー施術とレーザーのように高いレベルの集中の2つの意味)がある。しゃれではないが」と スログマーティン氏は語る。「この業界を見ると、注射剤、クールスカルプティング、タトゥー除去、レーザー脱毛など多くの施術が多くの場所で提供されている。当社は、スキンケア、フェイス、首、胸の治療に関して絶対的なベストになりたい」。

収益の99%を占めるメンバーシップの詳細

スキンランドリーは現在メンバーシップベースのビジネスモデルを運営しており、さまざまな特典やサービスを提供する150~350ドル(約2万〜4.6万円)の3ティアのメンバーシップがある。それ以前には、3、5、10回のレーザーフェイシャルのパッケージを販売していたが、これはフロントデスクの従業員にとって非効率的な作業だったとケアリー氏は述べている。さらに、複数のパッケージによって患者が一貫した治療を受けることが難しくなり、長期的な効果の質に影響が及んだ。メンバーシップは同社の収益の99%近くを占めているが、ケアリー氏からメンバー数は公開されなかった。

だが、2017年に開始され、過去3年間で再処方・再パッケージ化されたスキンケア製品事業には長期的な魅力の可能性が秘められている。スキンランドリーは、シートマスク、美容液、洗顔料など18製品を自社のD2C eコマースと店舗で販売している。2017年頃にはセフォラ(Sephora)で販売されていたこともあった。

スログマーティン氏は次のように述べている。「この3年間で、治療向けに全製品を再処方してデザインした。我々はそれを食事と運動のように考えている。(レーザー)治療を受けて、(当社の)適切な製品を使えば最高の結果が得られる」。

新規クリニックの宣伝方法

新しいクリニックの開業の準備が整うと、スキンランドリーは約2週間前にメールやソーシャルマーケティング、昔ながらのオフラインの宣伝を行い認知度を高め始める。同社は、名前や場所、メールを8年間収集しており、Eメールで連絡できる非公開のデータベースを持っている。また、有料と無料のソーシャル投稿と新しい地域にジオターゲティングしたソーシャル広告も使用している。2023年のオープンに向けて、レストラン、バー、ビューティサロン、ブティックフィットネス会社など地元の志を同じくする企業と提携して、250ドル(約3.3万円)のレーザー治療が75ドル(約1万円)になる初回顧客向けスペシャルを宣伝する。また、スキンランドリーは建設中のスペースにサービスを宣伝する看板を設置する。さらに、ボストンやロサンゼルスなどの大都市でのダイレクトメールやOOH広告への投資も検討している。

ケアリー氏は次のように述べている。「『シンプルに保つ』は当社のモットーだ。なぜなら、当社のように迅速に動いていると気が散っていろいろな混乱に陥りやすくなる。そうならないことが今年の課題だ」。

[原文:Inside Skin Laundry’s ambitious location expansion plans

EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)

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