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ゲームがメインストリームの文化やエンターテインメントの柱となるのに伴い、eスポーツ組織が急増している。
獲得賞金データなどを掲載するサイト「eスポーツ・アーニングス(Esports Earnings)」に上がっているチームのリストは、現在500チームにまで達している。なかには、すでに存在しないものや、より大きなチームに吸収されたものもあるが、いずれにせよ現在のeスポーツの世界には、アクティブなeスポーツ組織があふれかえっており、TwitterやDiscord(ディスコード)という星雲のなかで毎週のように新たなチームも誕生している。
ブランドやマーケターは、このように多種多様な選択肢のなかから、慎重に相手を選ぶ必要がある。クラウド9(Cloud9)やチームリキッド(Team Liquid)のような有名チームは大きなリーチを持っているが、小規模な団体と手を組むことで、ブランドは熱心なコミュニティに低コストでリーチすることができる。そこで米DIGIDAYでは、ほかと一線を画す成長中のeスポーツ組織を見分ける方法を専門家に聞いた。
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主なポイント
- マーケターは、新興もしくは小規模のeスポーツに参戦していて、なおかつロイヤルティが高く成長中のコミュニティがついているeスポーツ組織と提携しなくてはならない。eスポーツにおいて、今後ほぼ間違いなく成長するのはモバイル分野だ。一流のeスポーツチームがモバイルプレイヤーと契約し始めている一方で、何年も前から活動するモバイル専門のeスポーツチームもいくつかある。ESLゲーミング(ESL Gaming)のプロダクトマネジメントディレクターを務めるオリバー・マックスフィールド氏は、「すべてのパブリッシャー、すべてのトーナメント主催者は、SKゲーミング(SK Gaming)、チームリキッド、フェイズ・クラン(FaZe Clan)のようなチームがモバイルゲームのエコシステムに生まれることを望んでいる」と話す。「クラッシュ(QLASH)やトライブ・ゲーミング(Tribe Gaming)のようなモバイルeスポーツ専門の組織は、間違いなく一歩先を行っていると思う」。
- 将来有望なeスポーツ組織が生まれるもうひとつの場所として、国際的なeスポーツシーンが考えられる。すなわち、eスポーツがすでに主流となっている北米、ヨーロッパ、アジアなどの特定地域を超えた競技ゲームのコミュニティだ。eスポーツジャーナリストのアロン・ガースト氏は、『ヴァロラント(Valorant)』や『リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)』などのeスポーツに参戦しているトルコのチーム、スーパーマッシブ・ブレイズ(SuperMassive Blaze)を例に挙げる。トルコは急速に成長しているゲーム市場で、ライアットゲームズ(Riot Games)が運営するリーグ・オブ・レジェンドの独自サーキットが成立する地域となっており、スーパーマッシブ・ブレイズのような傑出したトルコのチームは、ヴァロラントの競技シーンが拡大するにつれて、国際的なファンベースを獲得することが予想される。ガースト氏は、「彼らはすでにヴァロラントのトップチームに思える。ヴァロラントでは、トルコはEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)に付け足されているような状態だが、これは奇妙な感じだ。トルコを含むひとつの独立した地域として扱われてもおかしくない」。
- プレイヤーはeスポーツチームの基本的な構成要素であり、多くの場合は、プレイヤーの重要性を認識し、彼らのプロとしての成長をサポートする組織がもっとも成功に近い。その代表的な例が、100シーブズ(100 Thieves)だ。この組織のバランスのとれたアプローチは、チームの方向性やコンテンツに対してクリエイターに発言権を与えることで、チームの人気が高まっても100シーブズの人材がロイヤルティを保てるようにしている。さらにガースト氏は、同様のモデルを取り入れている小規模団体として、アリゾナ州を拠点とするビルト・バイ・ゲーマーズ(Built By Gamers)を挙げる。ビルト・バイ・ゲーマーズは、プレイヤーに給与を支払い、また大量解雇されたコール・オブ・デューティ(Call of Duty)のチーム、ミネソタ・ロッカー(Minnesota ROKKR)の一部メンバーを採用した。ビルト・バイ・ゲーマーズのCMO、タイラー・ファーンズワース氏は、「ゲーマーとは、性別、年齢、地域にとらわれないパーソナリティの持ち主であり、ゲームでトップに立つことを目指し、常に向上心を持ち、人生において常にレベルアップしていく人物のことだと考えている」と話す。「我々は、インクルージョン(包摂性)、有害性との戦い、個人的および精神的な健康を優先することに重点を置いている」。
主な数字
- 同レポートによると、米国のeスポーツ視聴者数は6000万人超に増加しており、若く裕福で高学歴の層が中心となっている。
- 従来のスポーツリーグやチーム、さらにはゲームを専門としないブランドも、eスポーツがメディア消費や人気タイトルの販売を促進することから、eスポーツ業界への関与を強めている。
挑戦者の登場
有望な新しいタイプのeスポーツ組織も登場している。人気ゲームクリエイターが全面的に所有し支援するチームだ。eスポーツ記者のジョン・ポプコ氏は、人気ストリーマー兼ユーチューバーのチャールズ・ホワイト(通称「モイストクリティカル」:MoistCr1TiKaL)氏が設立・運営する団体、モイスト・eスポーツ(Moist Esports)の話題に言及した。同団体は2020年に設立されたが、パリス・ラミレズ(通称「ライト」:Light)氏といった『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズの人気プレイヤーと契約したことで、たちまち格闘ゲームのコミュニティに知れ渡った。モイスト・eスポーツの成功は、ゲーム業界における個人クリエイターの影響力と重要性の高まりを示す新たな例だ。「モイストクリティカルは大金持ちだと思う。しかし肝心なのは彼のプラットフォームであり、それがどれほどの影響力を持つかだ」とポプコ氏は述べている。
変わる勢力図
人気ストリーマーのイマネ・アニス氏(通称「ポキマネ」:Pokimane)などが自身の会社を設立したように、ホワイト氏に続いて自らeスポーツチームを立ち上げるクリエイターが増えることは想像に難くない。しかし、この流れはまだ始まったばかりであり、現時点では、ブランドはより実績のあるチームと提携するのがもっとも有益だろう。この分野に関心のある広告主にとって、大手のeスポーツチームが安全な賭けであることに変わりはないが、最大限の効果を得たいと考えている広告主にとっては、熱心なファンを持ち、将来の成長が見込まれる小規模なeスポーツ組織がねらい目かもしれない。
[原文:The Rundown: How up-and-coming esports organizations are separating themselves from the pack]
ALEXANDER LEE(翻訳:高橋朋子/ガリレオ、編集:長田真)