衆院選(2021年10月31日投開票)で「政権交代」を掲げていた立憲民主党は、公示前は109だった議席数を若干伸ばす見通しだ。枝野幸男代表は22時前にMBSラジオに中継で出演し、情勢については「見守りたい」とする一方で、主に共産党が候補者をおろす形で候補者の一本化を進めたことについては「一定の効果はあったのではないか」と述べた。
今回の選挙協力をめぐっては、立憲の支援団体で、歴史的に共産党と敵対関係にある日本労働組合総連合会(連合)が強い警戒感を示してきた。このことを念頭に、司会者からは「握手をしながら突き放しているようにも映った」という指摘も出た。枝野氏は、今後の共産党との関係について、連携できる部分とできない部分を整理して「検討したい」とする一方で、連合については「最も強力な応援団」と表現。共産党との選挙協力については、連合の理解は得られているとの認識を改めて示した。
候補者一本化は「一定の効果」
立憲の獲得予想議席をめぐっては、朝日は「公示前と同程度」、NHKは選挙区で「63~97」、比例代表で「36~44」議席を予測。「選挙前の109議席から議席を増やす勢い」だとしていた。枝野氏の出演時点で、当選確実が出ていたのは55前後だった。
枝野氏はこの時点での情勢について「実際に票が開いてどういう結果になるのか、まずは見守りたい」とするにとどめたが、候補者一本化を進めた効果については
「かなり自民党が圧倒的に強いと言われていた地域でも、接戦に持ち込めていると思っている。それはやはり、一騎打ちの構造が有権者の皆さんに分かりやすく選択肢として示せたからではないか。そういった意味では一定の効果はあったのではないか」
などと述べた。一方で、司会者からは共産党との関係について「握手をしながら突き放しているようにも映った」という指摘も出た。
枝野氏は与野党の一騎打ちが重要だとの認識を示しながら、共産党との協力関係については
「そうした構造を前提としつつ、党と党の違いをお互いに認めあって、何ができるのか。できることとできないことを有権者の皆さんに明確にさせていただいた上で、候補者の一本化にご協力いただいた」
とした。