選挙戦が続く衆院選。『ABEMA Prime』では22日までの間、主要政党から代表者を招き、各党の政策やビジョンについて聞いており、20日には社会民主党の福島みずほ党首が生出演した。
■新自由主義ではなく社会民主主義
19日、広島市での街頭演説で「社民党が作りたい社会は命と人権から守られる社会だ」と述べた福島党首。「今回は市民連合と4野党の“野党共闘”で政策協定書も結んだので、その点はかなり近くなっていると思う」というが、「将来的な合流はない。違いはあるけど連携していく、ということがとても良いと思っている」と話す。
「新自由主義ではなく社会民主主義。今、“分配”ということが言われているが、税金の取り方と使い道を変え、教育や福祉にきちっと振り向けて、みんなの生活の底支えをしっかりやっていく。一部の富裕層のためではなく、みんなのための経済、富の再配分ということを昔から言ってきた政党だ。ジェンダー平等も推している。女性も男性も、いろんな人が働き続けることができる、ホッとできるような社会、未来に希望が持てる社会をしっかり作っていく。元祖“脱原発”の政党でもある。そして憲法を活かしていく、そのためにやってきた政党だ。
今回はコロナ対策として消費税を3年間ゼロにして、企業の内部留保に課税するということなどを独自で打ち出している。女性による女性のための相談会や年越し大人食堂などに行って、仕事がない、お金がない、住まいがないという人たちと会ってきた。今、シングルマザーのお母さんの平均年間就労所得は200万円だ。つまり、ちゃんと食べられるという賃金を得ることが難しい。
やはりそれは一部の企業や富裕層に対する優遇策が取られ、派遣などもほとんどが可能になっている労働法制になった結果、4割が非正規雇用になり、格差や貧困が拡大した。そこを底支えしなければならない。所得税の累進課税がフラットになっているのでこれをもとに戻すことや、実は大企業は法人税が30年間に7回も下がっているので、そこはきちっと払ってもらう。GAFAにはもっと払ってもらう」。
■選択的夫婦別姓、実現したければ投票に行こう
また、選択的夫婦別姓、クオータ制などについても積極的に取り組む。
「私自身も婚姻届を出さないで事実婚だし、1987年11月に国立大学の教授が“通称使用を認めてほしい”として起こした裁判の弁護人をやったのを始め、選択的夫婦別姓の問題については30年以上取り組んできた。大学・高校でのセクシャルハラスメントなどについても、弁護士として関わってきた。政党としても、最近ではリプロダクティブ・ヘルス・ライツ、緊急避妊薬や生理の貧困の問題にも取り組んできた。
ただし、選択的夫婦別姓については政権交代しないと実現しないんじゃないかというくらい、自民党内に強力に反対している人がいる。だからもし実現したければ投票に行こうと呼びかけたい。多様な生き方がいいよねと思う人、他人が幸せになるのを妨害しないでほしいと思う人が投票に行けば変わる」。
さらに若い世代に向けては、特に教育格差の是正を訴える。
「日本はOECDの中でも教育予算は最下位で、自己責任と思われている。社民党が作りたい社会は、全ての子どもが自分のなりたいものに挑戦することができ、尊厳が守られる社会だ。“親ガチャ”ではなくて、どこの地域で、どんな親に生まれようと挑戦できるようにしたい。例えば小中の公立学校の給食を無償化にするのに必要なお金は4226億円なので、これはやれるのではないか。
高校の授業料の完全無償化、今は国立大学でも54万になっている大学の授業料の引き下げを行いたい。国公立大学の授業料と入学金を無償化するには4168億円だが、私立大学は2兆6808億円と莫大になるので、これは段階的にやっていくしかないが、お金がないために高校を中退する、大学に行けない、ということのないよう、しっかり応援する」。