辻元議員 国会で辞職当時を語る – BLOGOS しらべる部

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立憲民主党の辻元清美議員は11日、衆院本会議における岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問で、政治とカネの問題で閣僚を辞任した自民党の甘利明幹事長について自身の過去の秘書給与事件を引き合いに出して追及した。

共同通信社

甘利氏は経済再生担当大臣だった2016年、地元の建設会社から現金と接待を含め利益供与を受けたことが報じられ、現金を受け取ったことを認めて閣僚を辞任。さらに建設会社のトラブルをめぐりUR(都市再生機構)に口利きを行った疑いなどで、任意で東京地検特捜部の事情聴取に応じたが不起訴処分となった。

今月5日の党役員連絡会後の会見で甘利氏は、この件について改めて見解を問われ、「URに関わる事情は全く知らされていなかった」としたうえで、「説明責任も含めて、責務を果たし終えたと考えている」と説明した。

辻元議員「私は自民党の求めで参考人招致に応じた」

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11日の代表質問に立った辻元議員は、社会民主党議員だった2002年、秘書給与を不正に流用した問題を報じられて議員辞職。のちに警視庁に逮捕され、有罪判決を受けている。

この日、辻元議員は、自身が議員辞職した当時を振り返り、「自民党の強い求めに応じて、私は予算委員会の参考人招致に応じた」と述べ、さらに「そのときの自民党執行部、筆頭副幹事長が今の甘利幹事長だった」と指摘した。

辻元氏は当時、岸田首相が現在トップを務める自民党派閥「宏池会」の先輩議員でもある故加藤紘一元幹事長から「刑事責任のあるなしとは別に、政治家は政治責任も果たさなければならない」と諭されたことを明かした。その上で岸田首相に対して「宏池会の先輩方が守ってこられた政治の矜持をお持ちのはずだと信じたい」と訴え、「率先して甘利幹事長に政治倫理審査会での説明をするようにご指示いただけないでしょうか」と呼びかけた。

これを受けて岸田首相は、「説明責任のあり方については、それぞれの政治家自身が自ら判断すべきものだ」と述べ、甘利氏の政治倫理審査会の出席は「国会で決めること」として明言を避けた。

辻元氏が甘利氏の疑惑に関して質問し、岸田首相が答弁した一連の内容は以下の通り。

【辻元氏の質問】

甘利幹事長にまつわるUR口利き事件の件です。甘利幹事長は内閣府特命担当大臣のときに、2013年から2014年にかけて、千葉県の建設会社から大臣室などで計2回、合わせて100万円の現金は自ら受け取ったと。事務所でも秘書が500万円を受け取りました。まず総理にお聞きをいたします。大臣室で大臣が事業者などから現金を受け取る行為を、岸田内閣では認められるのでしょうか。

甘利幹事長は然るべきタイミングで公表すると言っていたにもかかわらず、先週調査報告書は公表しないと文書で表明されました。総理は幹事長に任命されるにあたり、この報告書をご覧になって確認されたのでしょうか。総理、調査報告書と、そしてこの調査の内容の公表を総理から指導いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

また、私たちは甘利幹事長の政治倫理審査会への出席を求めております。私は19年前に秘書給与問題で辞職をいたしました。辞職後でしたけれども、「記者会見ではダメだ」「国会で説明しろ」という自民党の強い求めに応じて、私は予算委員会の参考人招致に応じました。そのときの自民党執行部、筆頭副幹事長が今の甘利幹事長だったんです。

そしてある自民党の先輩に「刑事責任のあるなしとは別に、政治家には政治責任も果たさなければならない」と諭されて、自分の不明を恥じ、私は2期生でしたけれども、震えながら参考人招致に応じました。その先輩はかつて岸田総理もご指導を仰がれていた宏池会の加藤元幹事長です。加藤紘一さんです。

同時期、加藤先生もご自身の問題で逃げずに参考人招致に応じていらっしゃいました。宮澤元総理は竹下登元総理に対する証人喚問の求めに、自民党総裁として応じておられました。現在の宏池会の中にも自ら刑事責任を果たし、復帰され、大臣まで務められた方もこの議場にいらっしゃるはずです。

私も刑事責任と政治責任を自分で負ったからこそ、再びこの場に立たせていただくことができたと思っております。岸田総理は宏池会の先輩方が守ってこられた政治の矜持をお持ちのはずだと私は信じたい。岸田総理こそが率先して甘利幹事長に政治倫理審査会での説明をするようにご指示いただけないでしょうか。いかがでしょうか。

【岸田首相の答弁】

甘利幹事長の説明についてお尋ねがありました。私自身は調査報告書を見ていませんが、政治資金の取扱いについては、法令に則って行わなければならない。これは言うまでもありません。

その説明責任のあり方については、それぞれの政治家自身が自ら判断すべきものであると思っています。政治倫理審査会で説明を求めるかどうかは、国会においてお決めになることであり、私から申し上げることは控えますが、いずれにせよ、政治家はその責任を自覚し、国民に疑念を持たれないよう常に襟を正すべきであると考えております。

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