Facebookにログインするとフォローしているユーザーの投稿がズラリと並び、時間を忘れて投稿を閲覧し続けてしまうという人も多いはず。そんなFacebookの閲覧に割く時間を減らすべく「全てのフォローを一括削除する拡張機能」を作成したユーザーが、Facebookから拡張機能の公開停止を要求され、Facebookアカウントも削除されてしまう事態が発生しました。
Facebook banned me for life because I created the tool Unfollow Everything.
https://slate.com/technology/2021/10/facebook-unfollow-everything-cease-desist.html
Louis Barclay says Facebook banned him for life – Protocol — The people, power and politics of tech
https://www.protocol.com/policy/unfollow-everything-facebook
Unfollow Everything cease-and-desist letter from Facebook
https://louisbarclay.notion.site/Unfollow-Everything-cease-and-desist-letter-from-Facebook-ea219169421b457bb7ce010b7bf9ce1f
今回Facebookのアカウントを削除されてしまったのは、ソフトウェアエンジニアのルイ・バークレー氏です。バークレー氏は15年間Facebookを利用しており、多数のユーザーをフォローしていました。多数のユーザーをフォローしたバークレー氏のニュースフィードには多くの投稿が表示され、そのニュースフィードを閲覧するのに長い時間を費やしていたとのこと。ある日、バークレー氏は自らがFacebook中毒のような状態になっていると気付き、手動で全てのフォローを解除しました。
フォローを解除した結果、バークレー氏がFacebookを閲覧するのに費やす時間は劇的に減少しました。また、ニュースフィードに投稿が表示されなくなったものの、投稿を閲覧したいユーザーの名前を検索すれば以前の通りに投稿を閲覧できたため、バークレー氏と友人の関係は維持されたとのこと。バークレー氏はフォローを解除した際の心境について「初めて全てのフォローを解除した感覚を今でも覚えています。それはほぼ奇跡的でした。直接ユーザーページを訪問することでお気に入りの友達やグループを見ることができたので、何も失いませんでした。コンテンツが無限に表示されるニュースフィードからの誘惑がなくなり、私がFacebookで過ごす時間は劇的に減少しました」と述べています。
バークレー氏が手動でフォローを解除した際は、数時間を要したとのこと。バークレー氏は、自身の他にも同様の問題を抱えているFacebookユーザーが多く存在すると考え、ワンクリックで全てのフォローを解除できるGoogle Chrome向け拡張機能「Unfollow Everything」を開発し、2020年7月に公開しました。Unfollow Everythingは合計約1万3000回ダウンロードされ、公開から数カ月後にはスイスのヌーシャテル大学の研究チームから「Facebookの閲覧に費やした時間とユーザーの幸福度の関係を調査するためにUnfollow Everythingを使いたい」という提案を受けるなど、大きな反響を得ました。
しかし2021年7月に、バークレー氏はFacebookの法務部からUnfollow Everythingの削除を要求されます。加えて、Facebookはバークレー氏のFacebookアカウントを削除し、Facebookに関わるツールを二度と開発しないように要求しました。バークレー氏によると、この問題が訴訟に発展しバークレー氏が敗訴した場合、訴訟費用をバークレー氏が負担する必要があったとのこと。Facebookのような巨大企業と法廷で争うことは分が悪いと考えたバークレー氏はUnfollow Everythingの削除要求に応じるしかありませんでした。
バークレー氏はFacebookによるアカウント削除やUnfollow Everythingの公開停止要求といった対応を受けて、「Facebookの振る舞いは、反競争的であるだけでなく、反消費者的でもあります。私たちは、Facebookの設計と機能によって、Facebookの使用方法を正当に選択することを妨げられています。議員や規制当局は、ビッグテックがプラットフォームの利用規約などを通じてユーザーの選択を妨げている現状への対応を検討する必要があります」と主張しています。
なお、テクノロジー関連メディア・Protocolは今回の一件についてFacebookにコメントを求めましたが、回答は得られらなかったとのことです。
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