Microsoftは9月22日(現地時間)、OSにAndroidを採用した2画面折りたたみ式のデバイス「Surface Duo」シリーズの新製品となる「Surface Duo 2」を発表した。2in1のように360度回転型のヒンジを備えており、さまざまなモードに切り替えて利用することができるのが最大の特徴だ。
MicrosoftはSurface DuoシリーズをPCのコンパニオンデバイス(PCと組み合わせて利用することでPCの利便性を高める機器)と位置づけており、Microsoft 365のAndroidアプリなどと組み合わせて利用することで生産性向上を目指す機器としている。
今回発表されたSurface Duo 2はその第2世代で、SoCがSnapdragon 888(従来モデルはSnapdragon 855)に、ディスプレイが8.3型(従来モデルは8.1型)、新しく背面カメラとして3眼カメラが搭載されるなどの強化がされている。
5Gに対応したSoC、画面サイズ、トリプルカメラ対応が大きな強化点
Surface Duoは、2019年10月にMicrosoftがニューヨークで行なった記者会見でその存在が明らかにされ、翌年に米国など限られた市場でのみ販売が行なわれた2画面折りたたみ型のAndroidデバイスだ。
SoCはSnapdragon 855、6GBメモリ、128GBないしは256GBの内蔵ストレージというスペックで、開いたときには8.1型(2,700×1,800ドット)、片側だけを利用する場合には5.6型(1,800×1,350ドット)で利用できる折りたたみ型のディスプレイ(AMOLED)を搭載しており、OSはSurfaceブランドの製品としては初めてAndroidを採用するなどして注目を集めていた。
今回発表されたSurface Duo 2はその第2弾製品となる。主な強化点は3つある。1つはSoCが最新のSnapdragon 888に強化されていることで、2つ目は閉じると5.8型、開くと8.3型になっていること、3つ目は背面カメラが1眼から3眼、前面1眼に強化されていることだ。
【表1】Surface Duo 2のスペック | |
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CPU | Qualcomm Snapdragon 888 |
GPU | Adreno 660 |
メモリ | 8GB(LPDDR5) |
ストレージ | 128GB/256GB/512GB |
ディスプレイ | 8.3型 2,688×1,892ドット(2画面時)/5.8型1,344×1,892ドット(1画面時)/AMOLED/100% sRGB、DCI-P3/800cd/平方m/Corning Gorilla Glass Victus |
タッチ/ペン | タッチ対応/Surface Slim Pen 2 |
カメラ | 背面3カメラ=広角(27mm、1,200万画素、F1.7、OIS)/ズーム(51mm、1,200万画素、F2.4、OIS)/超広角(13mm、1,600万画素、F2.2)、前面(24mm、1,200万画素、F2.0) |
USB Type-C | 1(3.1) |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.1/NFC |
WAN | 5G(USモデルのみミリ波対応/サブ6)/LTE-A(Rel15、最大2Gbps)/WCDMA/GSM |
SIMカードスロット | eSIM/Nano SIM |
対応ミリ波 | n257/n260/n261 |
対応サブ6 | n2/n3/n5/n7/n20/n25/n28/n38/n41/n66/n71/n77/n78/n79 |
対応LTEバンド | 1/2/3/4/5/7/8/12/13/14/19/20/25/26/28/29/30/38/39/40/41/42/46/48/66/71 |
指紋認証 | 搭載 |
センサー | GPS/Galileo/GLONASS/BeiDou/QZSS |
ACアダプタ | Surface 23W USB充電器で急速充電対応(別売) |
バッテリ | 4449mAh/最大15.5時間(ビデオ再生時) |
カラー | グラシア/オブシディアン(黒曜石) |
サイズ(横×縦×高さ) | 184.5×145.2×5.5mm(オープン時)/92.1×145.2×11.0mm(閉じた時) |
重量 | 284g |
OS | Android 11 |
SoCはSnapdragon 888になり、メモリも8GBへ、ストレージは最大512GBへと強化されている。Snapdragon 888はSoC自体が5Gに対応したモデムを採用しており、Surface Duo 2も5G対応へと強化されている(従来モデルはLTEのみ)。5Gはミリ波、サブ6の両方の帯域に対応しているが、米国で販売されるモデルのみミリ波に対応する。
ディスプレイは閉じると5.8型、開くと8.3型になっている。解像度は若干変更されており、従来モデルの1,350×1,800ドット(閉じた際)/2,700×1,800ドット(開いた際)から、1,344×1,892ドット、2,688×1,892ドットと地味に変更が加えられている。パネルは従来モデルと同じAMOLEDで100%のsRGB、DCI-P3の色域をサポートし、800cd/平方mの輝度を実現している。
なお、ペンは従来モデルでは「Surface Slim Pen」になっていたが、今回のモデルでは「Surface Slim Pen 2」へと強化されている。カラバリは従来モデルではグラシアのみとなっていたが、今回のモデルではオブシディアン(黒曜石)色が追加されている。
カメラはSurface Duo 2の大きな強化点で、従来モデルではディスプレイの上部に前面/背面共用の1,100万画素のカメラが用意されていただけだが、Surface Duo 2では広角(27mm、1,200万画素、F1.7、OIS)、ズーム(51mm、1,200万画素、F2.4、OIS)、超広角(13mm、1,600万画素、F2.2)の3つの背面カメラ構成となっており、現在の一般的なスマートフォンの構成に追いついた形になる。
前面には24mm、1,200万画素、F2.0のレンズが用意されている。ただし、背面に3つのレンズが用意されてことで、背面カメラを利用するにはディスプレイを開いた状態でないと撮影できないことになる。スマートフォンのように片手で撮影とはいかないので、そこは慣れる必要があると言えるだろう。
バッテリの強化も特徴で、4,449mAhへと強化されている(従来モデルは3,577mAh)。バッテリ駆動時間はビデオ再生時で同じ15.5時間となるので、システム全体の消費電力がやや増えているのをバッテリの容量増で補っている形となる。このため、重量は従来モデルの250gから増加し、284gになっている。OSは従来モデルのAndroid 10から強化されてAndroid 11になっている。
Microsoftによれば米国では本日より予約が開始されており、発売は10月5日が予定されている。価格は1,499.99ドルからが予定されている。
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