先日、“世田谷モデル”が終了するニュースが駆け巡った(コチラ)。私が当初から指摘してきたことが実証されるまで、単純計算すると、少なくともざっと約4億円の血税がムダになった。まったくもって腹立たしい。さらに、行政は「『廃止』ではなく『停止』だ」とか言っているが、もはやどちらでもよく、要は終了である。以下は、今週9月2日の福祉保健常任委員会で配布された資料である。
10月以降のPCR検査体制について記されているが、最上段の「定期検査」=“世田谷モデル”は9月いっぱいで停止。来年も停止となっているので、つまり廃止である。保坂区長入魂のプランだっただけに、役所は「廃止」と言えないだけである。
さらにポイントは、これまた区長が大騒ぎしていた「プール方式」を採用したスクリーニング検査(表の下から2段目)も来年は停止。
PCR検査数を一ケタアップする「世田谷モデル」とは
「いつでも・誰でも・何度でも」
保坂展人区長がプール方式の実施を決断 「国がやらないなら世田谷から変える」
社会新報8月26日号 pic.twitter.com/DPNLfolz5J— 社民党の『社会新報』と『月刊社会民主』 (@shakaishimpou) August 20, 2020
つまりは、保坂区長がメディアで声高に叫びまくっていたプランは、ことごとく終了となる。
重要なことは、区長の施策でどれだけ新型コロナの感染拡大を抑止できたか、ということなのだが、世田谷区が発表した最新データ(9月2日現在)によると、区内の陽性者数は累計26861人。死者132人。“世田谷モデル”の最大の目的は、クラスター発生の抑止だったはずだが、社会福祉施設で32件も発生している。まったく、何のために実施したのか。改めて言うまでもない。今月の議会で厳しく追及したい。
さて、菅総理が退陣することになった。国民への説明不足や表情が暗いなどろいろ批判もあるが、個人的にはワクチンの確保や携帯電話料金引き下げなど実務は着実に行っていた印象を受ける。
立候補を断念した理由として、菅首相は「選挙(総裁選)とコロナ対策は両立しない」と語った。言葉通りに受け止めると、前日まで総裁選挙に専念して、「コロナ対策まで手がまわらなかったとも聞こえる。「総裁選に突入すると、コロナ対策は止まる」が、撤退する菅首相がたどり着いた大義だったのか。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) September 3, 2021
色々な意味で、そもそも比べて良いものかどうかわからないが、少なくとも、菅総理は保坂区長のように実務そっちのけで評論なんぞはしないし、不必要に目立とうともしなかった。これは事実である。