Cookie 代替案、日本の広告主とエージェンシーの選択は?:GumGum Japanの調査結果

DIGIDAY

サードパーティCookieに代わるソリューションが注目されるなか、日本の広告主とエージェンシーが、いまもっとも注目しているのはどれか。

7月末、コンテクスチュアル広告をグローバルで展開するGumGumは、日本の広告主と広告会社を対象に実施した、サードパーティーCookie排除に伴うデジタルマーケティング施策に関する意識調査(サンプルサイズ:200名 ※GoogleがサードパーティーCookie廃止延長の発表に伴い、追加質問を実施。127 件の回答を取得)を発表。「あなたはサードパーティーCookieの代替手段として、どのようなものを検討しはじめましたか?」という質問に対し、もっとも回答が集まったのは「ファーストパーティーデータ」の活用で、次いで「ソーシャルメディア」、そして「コンテクスチュアル広告」という順で期待値が高かった。

また、6月末にGoogleがサードパーティCookieのサポート終了の延期を発表したが、同調査ではこのニュースを受け、広告主とエージェンシーの意識が変わったかどうかについても、アンケートを行っている。結果としては、広告主とエージェンシーの50%以上が「サードパーティーCookieが廃止されることに変わりないので代替方法を引き続き模索する」と考えていることがわかった。

もっとも期待値が高いのはファーストパーティデータ活用

サードパーティCookieに代わるソリューションが続々登場するなか、広告主とエージェンシーは、どのような手段に期待を寄せているのか。

本調査の、「あなたはサードパーティーCookieの代替手段として、どのようなものを検討しはじめましたか?」という質問でもっとも回答が集まったのは「ファーストパーティーデータ」で、全体の41.5%、次いで「ソーシャルメディア」が38.0%、そして「コンテクスチュアル広告」が、26.0%で3番手にランクインしている。

※クリックで拡大(以下のグラフも同様)

終了延期が決定しても、50%以上が代替方法を引き続き模索

6月末、GoogleはサードパーティCookieのサポート終了を延期すると発表した。しかし半数以上の広告主とエージェンシーは、引き続き代替ソリューションを模索し続けているようだ。実際、「GoogleがサードパーティーCookie廃止を2023年に伸ばしたことで何か意向は変わりましたか?」という質問に対し、「サードパーティーCookieが廃止されることに変わりないので代替方法を引き続き模索する」と答えた人は54.3%に上った。

そのほかの回答の内訳は、以下の通りだ。

● 変わらず従来型の手法を選択する (20.5%)
● 時間ができたので結論を先延ばしにする(16.5%)
● サードパーティーCookieが廃止されることに変わりないので代替方法を引き続き模索する (54.3%)
● 全く今後も検討しない(7.9%)
● その他(0.8%)

国内におけるコンテクスチュアル広告の見られ方

本調査では、コンテクスチュアル広告に、日本の広告主とエージェンシーが期待するポイントについてもアンケートを行っている。「コンテクスチュアル広告を使う目的は何ですか?」という質問に対しては、「Cookieを使わなくて済む代替え方法として」という回答が41.0%を占め、もっとも高い結果になった。しかし、次いで「ブランド認知への貢献」(34. 5%)、さらに「ユーザーにとって良い広告体験ができる」(26.5%)という回答が続いた。

また、「あなたはコンテクスチュアル広告の使い方に精通していますか?」という質問に対しては、「よく知っている」と答えた割合はわずか7.5%にとどまっている。さらに、「なんとなく知っている」という回答を合わせても、過半数を超えない実態が明らかになった。コンテクスチュアル広告の認知度は高まっているものの、実際の効果や活用法については、国内ではまだ具体的なイメージが形成されていないことがわかる。

デジタル広告が販促領域に偏っている事実

本調査は、広告主とエージェンシーのサードパーティCookieの代替ソリューションに関する見方についてだけではなく、日本のデジタル広告活用に関する興味深い事実を示している。

まずは以下のグラフを見て欲しい。「あなたは消費者に商品を購入・体験してもらうために、施策展開でどの部分に重点をおいていますか?」という質問に対して、回答者の60%が「ブランドやサービスに好意を持たせる」ことを選択している。

しかし一方で、以下のグラフを見てわかる通り、実際にデジタルマーケティング施策を展開する際には「顧客獲得効率を意識した施策展開」(56.0%)がもっとも重視されていることが分かった。

つまり、日本の広告主とエージェンシーの多くは、全体施策では商品購入や体験をしてもらう事を目的に好意を狙う、つまり宣伝目的の設計をしているにも関わらず、デジタルの導線においては好意の形成よりもクリック単価などの獲得効率を優先しているということになる。

GumGumもこうした状況に関して、調査利用の末尾で次のような見解を強調している。「このことは、日本のデジタルマーケティングが販促領域のパフォーマンス型に依存している背景があるものと考えられる」。

Written by 村上莞
Image by Shutterstock

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