無観客で開催された今回の東京五輪。リアルで観戦する機会がなく、テレビも「普段あまり見ない」という若者たちは、どんな形で五輪と接していたのでしょうか。原田曜平さんと若者10人によるオンライン座談会の模様をお届けします――。
【座談会参加者】
國武/立教大学3年生
森/青山学院大学4年生
鈴木/慶應義塾大学4年生
土井/立教大学2年生
矢追/早稲田大学3年生
山崎/慶應義塾大学2年生
池上/日本大学1年生
青野/専修大学2年生
岡田/高校2年生
赤峰/高校3年生
テレビ観戦しない若者も「情報は入ってくる」
【原田】今回の東京五輪は無観客開催でした。僕たちの世代はテレビで観戦した人が多かったようですが、若者はどんな形で五輪の情報に触れていたのでしょうか。何から情報を得たのか、盛り上がった人はどんな話題で盛り上がったのかなどを教えてください。
【青野】僕はテレビでも観戦しましたが、選手のインスタやTikTokもよく見ていました。海外の選手が結構、選手村の様子を上げていたんですよ。村内のことがわかって面白かったし、「料理がおいしい」とか喜んでくれている様子を見るとうれしい気持ちになりました。
【岡田】私は女子柔道の阿部詩選手がすごくかわいいなと思って推していて、柔道は第1試合から決勝まで全部テレビで見ました。あと、競泳のベルケサカ選手がすごいイケメンで。開会式でトルコ選手団の旗手をしていたんですけど、すごくかっこよかったのでインスタを調べてフォローしました。友達ともイケメン選手の話題でかなり盛り上がりました。
【國武】私は進んで観戦することはなかったんですが、SNSを見たらやっぱり五輪の話題が多くて、自然と情報が入ってきました。特に話題になっていたのはスケボーの解説者の瀬尻稜さん。「やべえ」とか若者言葉を連発していて、真面目に実況しているアナウンサーとの対比が面白すぎるってSNSで盛り上がっていました。このコンビ最高って。
期間中にSNSでバズっていたこと
【矢追】僕も五輪期間中はSNSをよく見ました。中でも選手の発信をよく見ていて、本当に楽しかったです。スポーツには興味がなかったんですが、SNSを通して興味を持つようになったし、選手との距離も近く感じられました。
【原田】皆さんの中では、テレビでしっかり観戦した人が7人、自分から進んで観戦はしないけれどSNSから情報が入ってきたという人は3人。今は若者のテレビ離れが叫ばれていますが、代わりにSNSが当たり前のものになっているから、五輪に興味がない若者も皆何かしらのタッチポイントはあるということですね。そのSNSの中で、他にバズった話題があれば教えてください。
【青野】たくさんあるんですけど、僕が印象に残ったのはサッカーの試合後のインタビュー。内田篤人さんのインタビューが独特のゆるーい空気感でいいってバズっていました。元日本代表選手だったからだと思うんですけど、選手との距離が近い感じで好感を持った人が多かったみたいです。
【池上】私が目にした中では、ブラジルのカルグニン選手が話題になっていました。柔道の選手なんですが、胸に漢字で「家族」ってタトゥーが入ってるんですよ。日本語のタトゥーに親近感をもって、応援する人も増えたみたいです。
選手村の生活がダイレクトに伝わってきた
【鈴木】Twitterでは、ドイツ代表のポロシャツに注目が集まっていました。胸のところにカタカナで、しかも縦書きで「ドイツ」って書いてあって。海外の人から見たらカタカナってかっこいいのかな(笑)。
【森】スケボーのヒューストン選手の動画も大人気でした。選手村の中をスケボーで走りながら紹介する動画を上げてくれたんですよ。動画自体もかっこよかったし、村の中の様子が見られて楽しかったです。
【青野】飛び込みのフリッカー選手のTikTokも、選手村での生活の様子がたくさん上がっていて人気でした。自販機で飲み物を買うとか日本食を食べるとか、ごく普通の紹介動画なんですけど、村は選手じゃなきゃ入れないから。選手の素の姿も見られて楽しかったです。