ニトリの『ホテルスタイルまくら』が良いらしい。コスパ的に最高らしい──という噂は、1年くらい前から聞いていた。なにせ、当方20年ほど枕に悩み続けている枕難民。自慢ではないが、枕関係の情報は自然とチェックする癖がついている。
しかしだからこそ、私は動かなかった。難民歴が長すぎると、疑い深くもなるものだ。「どうせ金をドブに捨てることになるんだろう」と、ひねくれた気持ちにもなってしまう。
よって、どれだけ『ホテルスタイルまくら』がネットニュースで取り上げられようが、SNSでバズろうが、私は見(けん)の姿勢を貫き通した……が! 1ヶ月ほど前、ついに我慢できずに買ってしまった。サイズは標準で、価格は税込1990円。
そして1ヶ月使い続けた今、私はひしひしと感じている。「コレめっちゃ良いじゃん♡♡♡」とー。
そのように言われても、枕に悩んでいる人にとってはにわかに信じられないに違いない。そもそも、枕にはどうしても合う・合わないがあるから、『ホテルスタイルまくら』も「試したけれど自分的には無理だった」って人が一定数いるだろう。
なので、私は『ホテルスタイルまくら』が全員にオススメだなんて言うつもりは毛頭ない。というか、この枕を買わない方がいい人だっているような気がする。それをまず発表してしまおう。どんな人が買わない方がいいかというと……
フカフカ系の枕がどうしても無理な人
──である。つまり、ニトリの『ホテルスタイルまくら』はフカフカ系。高反発系ではない。そのあたりが “ホテルスタイル” たる所以(ゆえん)かと思われるが、「頭が沈み込む系の枕は合わない」ってことが分かっている人は止めておいた方がいい。
逆に言うと、フカフカ系枕が大好きな人はハマる可能性が高いような気がする。
・カタい系を使っていたが……
ちなみに、私が以前に使っていたのはカタい系の枕。しかも、自身の骨格に合わせたオーダーメイド枕である。自分で言うのもなんだが、結構良いヤツだ。
その枕は、寝返りを打って横を向いても首が沈み込んでダラーンとならないよう、両サイドを盛り上げて、割とカタ目に作られている(ダラーンとなると首が痛くなる)。
なので、初めて『ホテルスタイルまくら』を見たときは「こんなにフカフカだと自分には合わないかもな」と心配になった。そこから気持ちがどう変化していったかというと……
【気持ちの変化】
・初めて使った日の朝 → 意外と良いやん。でも、どんな枕でも初回は最高だと感じるものだからまだ分からんな。
・1週間経過 → 起きたときに首が痛くない。この枕、マジでいいかも。
・2週間経過 → おそらくフカフカ具合が絶妙なんだな。これ以上フカフカにしたら首が痛くなり、これ以上カタくしたら寝心地が悪くなる。ちょうどいいラインを突いた枕な気がする。
・1ヶ月経過 → 俺は今まで何をしていたのか? 何が「ひとまず見(けん)しよう」やねん! はよ買えや!!
──といったところで、今も不満らしき不満は特にない。強いて挙げるとするならば、価格が安すぎることだろうか。というのも、枕難民歴が長く、およそ20年間で枕代に10万円ほど投資してきた私からすると、2000円ほどの枕が自分史上最高だなんて認めたくない事実でもある。
なんだか悔しい。というか、難しい。値段が高ければ良いってわけじゃないことは知っているつもりだったが、「安物買いの銭失い」という言葉だってある。良い枕が無いと悩んでいたあの頃、自分は一体どうすればよかったんだろう?
──そうやって考えたところで、今となってはどうすることもできない。だからもう寝よう。眠ってしまおう。『ホテルスタイルまくら』のお世話になろう。というわけで、このあたりで失礼します。おやすみなさ〜い。
参考リンク:ニトリ『ホテルスタイルまくら(標準)』、Twitter #ホテルスタイルまくら
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.