「メタバース」は次の鉱脈か? 日本の企業の参入が相次ぐ ほか【中島由弘の「いま知っておくべき5つのニュース」2021/8/5~8/12】

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1. 660億円規模の仮想通貨が不正流出

 DeFi(分散型金融)を運用するPoly Networkが、約660億円相当の仮想通貨が不正なアクセスによって流出したと発表した(ITmedia)。2018年のコインチェック社の流出580億円を超える規模の流出である。ただし、犯人は金銭目的ではなく、自らの技術力の優位性を誇示することが目的だったのではないかともいわれている。記事では「犯人はブロックチェーン上に複数の書き込みをしており、中には『お金にはあまり興味がないので、トークンを返すか、ここに置いておくか検討中です』『資金を返す準備ができました』というコメントもある」と報じている。

 日本では仮想通貨をめぐる大きな事件は報じられていないが、近頃、ビットコインのレートが上昇していることなどからも、引き続き留意をしていく必要がある。

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  • DeFiで暗号資産流出、約660億円分 犯行目的は「技術の誇示」か? 専門家が推測[ITmedia

2. 「nanaco」「WAON」「Coke ON」がApple Payに対応

 セブン&アイ・ホールディングスの「nanaco」(ケータイWatch)、イオンの「WAON」(ケータイWatch)、日本コカ・コーラの公式アプリ「Coke ON」に含まれているキャッシュレス決済機能「Coke ON Pay」(Impress Watch)がApple Payに対応をすると発表した。いずれもユーザー数が多い決済サービスではないかとみられることから、物理カードではなく、スマートフォンに機能として集約できることで利便性が高まるユーザーも多いだろう。

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3. 「メタバース」は次の鉱脈か? 日本の企業の参入が相次ぐ

 先週あたりから各メディアが報じているのは、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOが「メタバース」についてご執心だという話題だ(ITmedia)。ザッカーバーグ氏のいうメタバースがどのようなものなのか具体的には分からないが、これまでのユーザーの行動履歴をもとにした「デジタルツイン」(デジタル版の自分)ということか。そうしたことを直接的に踏まえているわけではないだろうが、日本の企業もメタバースへの参入が発表されている。

 1つはグリーで、「バーチャルライブ配信アプリ『REALITY』を手掛ける子会社のREALITYを中心に、多数の利用者が同時参加できる仮想空間『メタバース』事業へ参入する」とし、2024年までに100億円規模の事業投資を行うという(ITmedia)。

 もう1つはエイベックスで、「バーチャルアーティストのプロデュースやバーチャルイベント・ライブの企画制作などといった、バーチャルエンタテインメント事業を専業」とするバーチャル・エイベックス株式会社を設立したと発表した(CNET Japan)。

 こうした一連の動きは、データ社会というだけではなく、長引くコロナ禍で、リアルイベントの開催は引き続き困難であることもあいまって、関心が仮想空間に向かいつつあるという背景もありそうだ。

ニュースソース

  • 次に来るのは「メタバース」なのか フェイスブックが動く[ITmedia
  • グリー、ライブ配信を軸に仮想空間「メタバース」事業に参入 3年で約100億円を投資[ITmedia
  • 「バーチャル・エイベックス株式会社」が設立–バーチャルエンタメ事業の最大化目指す[CNET Japan

4. アップルが児童の性的虐待を防ぐための機能を導入

 アップル社では、これからリリースされる「iOS 15」「iPad OS 15」「macOS Monterey」「WatchOS 8」で、「児童の性的虐待コンテンツ(CSAM)の検出など3つの機能を導入する」と発表した(CNET Japan)。記事によれば、1つ目は、児童が「メッセージ」アプリで性的に露骨な写真を受信した可能性が高い場合、閲覧するかどうかを確認する警告メッセージを表示する。2つ目は、画像がiCloudにバックアップされる前にデバイス上で画像をスキャンし、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)が提供するデータベースと照合し、場合によっては通報してアカウントが無効化される。3つ目は、ユーザーがCSAMに関連するトピックを検索しようとした場合、そのトピックが有害であると警告をするというもの。

 児童搾取に対する取り組みとして賞賛される一方、「プライバシーの侵害である」という指摘や「全体主義的な政権に悪用されかねないシステムをAppleが構築しているおそれがある」という懸念も指摘されているようだ。

 アップル社はこの取り組みについてのFAQを公開(CNET Japan)するとともに、米国国外では「現地の法律および規制に応じ、国ごとに行っていく」という方針を示している(Gigazine)。

ニュースソース

  • アップル、児童の性的虐待を防ぐための機能をOSに導入へ–「iCloud」の画像検出など[CNET Japan
  • アップル、児童虐待画像の検出技術に関するFAQを公開[CNET Japan
  • Appleが発表した児童の性的搾取を防ぐための「iPhoneの写真やメッセージをスキャンする取り組み」は国ごとの法律にのっとり行われる予定[Gigazine

5. オリンピックに関する動向をSNSから分析

 開催の賛否が分かれた東京オリンピックだったが無事に閉幕した。

 そして、オリンピック開催期間中、SNSではどのような話題が交わされていたのかについて、Twitter Japanが分析結果を発表した(ケータイWatch)。

 それによると、最も多くツイートされたのは「スケートボード女子でブラジルのライッサ・レアウ(Rayssa Leals)選手が銀メダルを獲得」したイベント。次いで「野球の侍ジャパンが金メダルを獲得」「卓球混合ダブルスで日本代表が金メダルを獲得」「女子ソフトボール日本代表が金メダルを獲得」「サッカーのブラジル代表が金メダルを獲得」となっている。また、競技別では「野球・ソフトボール」「柔道」「サッカー」で、世界では「バレーボール」「体操」「スケートボード」だという。

 一方で、選手に対するSNSでの誹謗中傷も大きな問題となった。ITmedia社がユーザーローカルと調査した結果を報じる記事では、卓球の水谷隼選手に向けられたメッセージを時系列で分析をしている。メダル獲得によるポジティブな投稿とともに、ネガティブな投稿も多い。さらにそのネガティブな投稿に対する(ネガティブな)批判なども入り交じっていることを指摘している(ITmedia)。

 今回のオリンピックでは水谷選手に限らず、選手に向けた誹謗中傷がSNSで拡散されたことが特徴的であったことは記憶され、次回への解決課題にすべきだろう。今や悪質な誹謗中傷は法的な対処が可能であり、顔が見えない空間で、言いたい放題で終わるわけにはいかない段階にある。

ニュースソース

  • オリンピックで国内のツイート数が多かった競技は「野球・ソフトボール」、Twitterが東京2020大会を振り返る[ケータイWatch
  • 五輪選手への相次ぐ誹謗中傷 実際にどれくらい増えたのか分析してみた[ITmedia

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