アマゾンのスーパーマーケット、手のひら認証を登録すると10ドルくれる

GIZMODO

個人情報保護を心配した登録者たちが、手のひらを返しています(物理的に)。

Amazon(アマゾン)が運営しているスーパーマーケットでは、手のひらの静脈を読み取って決済を行える生体認証システム「Amazon One」が導入されています。クレジットカードを差し込んで手をかざせば、たった1秒で登録が完了し、店舗への入場カードやポイントカードが手のひら認証で済むので便利です。

サービスが始まったのは2020年10月でしたが、あれから現在では、アマゾンが新しく手のひらを登録する人たちに10ドル分のクレジットを進呈している、とSLASH GEARHYPEBEASTなどのメディアが伝えています。

プライバシーの不安をお金で抑え込みたい

今まで何もくれなかったのに、どうしてお金をくれるようになったのでしょうか?

それは最近、登録した顧客たちが、サービスから退会しまくっているからなんですって。彼らの言い分は、もちろんプライバシーや、個人情報の保護が心配だから。登録には電話番号も必要なので、個人の社会的な核となるデータのほとんどを握られてしまうことになります。

いちおう、手のひらのデータは暗号化されてクラウド上にて幾重もの高いセキュリティーで護られた場所にて保存されていますが、それでも人々はアマゾンに自分のデータを保持されるのがイヤなんですね。

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Image: Amazon

そこで、アマゾンが取った方法が「カネ」というワケ。ということで、新規顧客が手のひらを登録し、アマゾンのアカウントを紐付けると、10ドル分のクレジットがゲットできるようになりました。

これでどれほどの人たちが登録するかは不明ですが、アマゾンは10ドルで人々の生体データを買い叩いているようにも見えてしまいます。何せ名前や電場番号は変更することが不可能じゃないですが、静脈パターンは唯一無二で変更不可能ですからね。

なお、この生体データは、引き落としなどの取り引きが全て完了した上で、顧客の希望で削除することもできますし、2年間使わないままでも自動的に削除されるとのこと。

静脈パターンの値段はいくらが妥当?

ともあれこの流れを見るに、もし10ドルでも登録者数が増えなければ、今度は20ドル出すようになるかもしれませんし、30ドルになるかもしれませんよね。

アマゾンは8月2日に、EUでデータ保護規則違反を犯したとして、過去最大となる7億4,600万ユーロ(約970億円)もの制裁金が科されています。皆さんはいくらで自分の静脈パターンを差し出せます?

Source: SLASH GEAR, HYPEBEAST, Bloomberg

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