オーストラリアの東京五輪代表選手らが、帰りの日本航空(JAL)機内で泥酔してマスクを拒否するなどの騒ぎを起こした。
日本国内では過去に、マスクを拒否した乗客を降機させるなどしたケースがある。JALは、機内の関係者に行動抑制を促し運航に支障はなかったとしたうえで、今後トラブルが起きれば、日本の航空法違反とみなし豪連邦警察に引き渡す可能性もあるとしている。
「強制降機を命じてもよいのでは」との声も
豪オーストラリアン紙のウェブ版記事などによると、騒ぎを起こしたのは、サッカーと7人制ラグビーの男子代表選手ら。選手らが搭乗した日本航空の飛行機は、2021年7月29日に羽田空港を出発し、約10時間のフライトを経て、翌30日朝に豪シドニーに到着した。
選手らは機内で、お酒を飲んで歌を歌い始め、客室乗務員がマスク着用や着席を求めても拒否した。しかも、機内に保管してあった酒類を勝手に持ち出し、乗務員らが止めても応じなかったという。また、トイレで嘔吐して床などを汚し、トイレが使えなくなったケースもあった。
機内には、一般客も搭乗しており、選手らの行為は迷惑だったとメディアの取材に話したという。
これに対し、JALは、豪オリンピック委員会(AOC)に書面で異例の抗議を行った。AOCは、サッカーとラグビーの競技団体に抗議内容を伝え、両団体が事実関係などの調査を始め、「適切な措置を取る」とコメントしたと報じられている。
マスクを拒否してトラブルになったケースとしては、釧路空港発関西空港行きのピーチ機内で20年9月、男性客が乗務員らを威嚇するなどしたとして航空法第73条の安全阻害行為で途中降機させられ、後に大阪府警に逮捕されたことがある。
それもあってか、ネット上では、今回のトラブルを起こした選手らに厳しい声が多い。「開放感で騒ぎたくなったんだろうね」との声はあったものの、「五輪関係者だから何をしても良いという、誤った風潮は断ち切るべきだ」「飛行の安全を守るために、出発地に引き返す判断もあった」「強制降機を命じてもよいのでは」などと書き込まれている。