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立憲民主党の本多平直議員の問題。
本多氏は5月、刑法で性行為が一律禁止される年齢(性交同意年齢)を現行の「13歳未満」から引き上げることを議論する党の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム(WT)」に出席。外部から招いた有識者に対し、「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言した。
この話は、いくつもの問題が重なっている、というか未整理のまま積み重なって議論されてしまっている。
特に、立憲民主党によって設置された第三者機関「ハラスメント防止対策委員会」が本多議員や関係者にヒアリングしてまとめた調査報告書をぼくも読んだが、最終的に発言とその扱いをめぐる問題ではなく、「毎回、高圧的に語気を強めて意見したり、考え方を否定し、心身共に疲労した」など、本多議員によるハラスメントを問題の中心に置いている。
もしハラスメンがあったとすればそれは処分されるべきだ。
そしてそれ自体にはそれほど複雑な問題はない。ぼくがここで何か新たに問題を解明すべく、記事にするほどではないのである。
しかしもともとは、「50歳と14歳が同意性交して捕まるのはおかしい」という本多議員の党内のワーキングチームでの議論が厳しい批判を呼んだもので、「党内議論として行われた言論で組織的処分を受けるべきなのか」という問題として立てられていたはずである。
だから、ぼくは、本多議員の問題としてではなく、政党はどのように議論をすべきなのかという一般論として論じたい。
一般論として考える「政党内部の議論」
今のところのぼくの考えは、政党内部の議論では自由な発言を保障すべきだ、というものだ。(境界線上の問題や、対抗意見は後で検討する。)
政綱や綱領、理念に反する、つまりそれを変えることも含めて議論されていい。自由に議論できない集団では発展がないからである。だから、自由であるべき発言を根拠に組織的な処分、つまり罰を与えてはいけない。
そして、それはあくまで内部議論とすべきである。
近代政党として統一した見解を国民に示すのが責任だと思うからだ。
党員Aは「消費税を上げるべきだ」といい、党員Bは「消費税は現状を維持すべきだ」と言い、党員Cは「消費税を下げるべきだ」と言うのでは国民はどう判断していいかわからなくなるではないか。
これは逆にいうと、内部議論だから非公開ということになる。
そして、非公開であるはずのものが漏れてしまうことがある。
その場合、例えばその漏れてしまった意見・政策案に反対の一般市民(当該政党の外の人たち)は抗議や批判の声を上げることになる。これは、市民の言論活動としては健全なことである。例えば消費税減税を訴えている政党において、党内部の会議で「消費税を上げる政策に変えるべきだ」と発言したD議員がいたとして、中小業者の団体が抗議するのは当然だし「Dについては、議員を辞めさせろ」という、Dの地位にまで及んだ要求をするのは全く自然のことわりである(これは漏れてしまった=公にされてしまった以上、当該政党ではない他の政党からそういう意見が上がることも「自然」だと言える)。
しかし、それでも党の指導部は、やはりDの処分をすべきではないだろう。
「消費税は上げてもいい」と思っているような「レベル」の議員がいること自体が、「消費税減税」で売っているその政党のイメージダウンになることは、誰でもわかる。火消しのためにDを処分してしまいたくなる。「あ、もうDは飛ばしましたんで。もうあんなこと言うような奴は今はおりません。ビックリさせましたね。ええ、これからは大丈夫でございます」。
だが、党の指導部は党内の言論環境の管理責任者である。「政策論議のために自由にモノを言っていいよ」と約束しながら、漏れてしまったからDを切るというのは、おかしい。むしろ漏れてしまった責任を党指導部が負わなければならないだろう。消費税減税が党のスタンスだと念を押し、理解を求めつつ、自由な政策議論をすることでよりよい環境を中小業者のためにも準備できるんだということを、市民に訴えるしかない。
指導部がその責任を放棄してはいけない。
ぼくがこの記事で言いたいことの基本はこれで終わりである。
以下は反論への考察、もしくは付属的な議論。