2022年9月13日、全国の松屋に「魯肉飯(るーろーはん)」が登場した。これは「シュクメルリ」や「カチャトーラ」などと同じ “世界の味シリーズ” に属する商品で、台湾の人気メシが松屋に初登場を果たした格好だ。
日本でもそれなりに馴染みの深い「魯肉飯」を、松屋はどのようにアレンジしているのか? 発売開始直後にワクワクしながら食べに行ってみたのでご報告したい。
・日本でもメジャーな台湾メシ
「シュクメルリ」や「カチャトーラ」と比較すると、日本でもかなりの知名度を誇る魯肉飯。私も台北で本場の魯肉飯を食べたことがあるが、簡単にいえば「そぼろご飯」のような「豚肉版ねこまんま」のような台湾のローカルグルメである。
その味付けは多岐にわたるようだが、松屋の魯肉飯は「日本のご飯に合うようにアレンジされていること」が最大のポイントだ。要するに松屋の魯肉飯は魯肉飯にあらず。あくまで “松屋流魯肉飯” と考えた方がいいだろう。
・出て来たのは…
その松屋の魯肉飯は単品価格680円。また魯肉飯と牛丼の合い盛り「魯肉コンボ牛めし」も同じ価格の680円で販売している。果たして松屋の魯肉飯は「シュクメルリ」ほどのインパクトを残すことが出来るのだろうか? で、実際にやってきた魯肉飯はというと……
うむ、角煮丼である。
商品名を知らずにこれが目の前に現れたとき「あ、魯肉飯だ」と答える人はおそらく0人だろう。というか、台湾の人だって「魯肉飯デハナイヨネー」と言うに違いない。
・見た目も味も角煮
最大の理由は豚肉のカットが信じられないほど大きいこと。これまで30回くらいは魯肉飯を食べたことがあるが、ここまで大きな豚肉は見たことが無い。大きな豚を煮込んだやつ、つまり「角煮」である。
で、お味の方はというと、よく言えば「食べやすい味付け」で、悪く言えば「本場っぽさはない味付け」といったところだろうか? 多くの魯肉飯に共通する、八角や五香粉などのスパイスの風味は皆無であった。
つまり松屋の魯肉飯は、見た目だけではなく味も「角煮丼」としか言いようが無い。ご飯に敷き詰められた刻み海苔込みで「醤油ベースの甘辛い角煮が食べやすい丼」である。
なので、必要以上に魯肉飯にビビる必要はないし、逆に魯肉飯を期待しすぎてもいけない。松屋の魯肉飯はあくまで “松屋風魯肉飯” であることをどうかお忘れなく。角煮丼だと思って食べれば余裕でウマい。
なお、個人的には「魯肉コンボ牛めし」の方が “オールスター感” があってオススメだ。もちろん中身は「角煮 + 牛肉」でしかないが、松屋っぽさをより強く感じられるのは「魯肉コンボ牛めし」であろう。
とんでもなく本格的な「グリーンカレー」が出たかと思いきや、今回のような「全然魯肉飯じゃない魯肉飯」が出るのも松屋のおもしろいところである。魯肉飯に関しては完全に角煮丼──。現場からは以上です。