うぜぇぇええええええええええ!!! 先週半ばから私の元に “国税庁” から届いている “税務署からの【未払い税金のお知らせ】” のメールの話だ。マジでうぜぇ。
初めて届いたのは8月24日。もちろん読まずに差出人だけ見て秒でゴミ箱送りしたのだが、26日から29日までで7通も送り付けられ、いよいよキレそう。
バチバチに詐欺以外のなにものでもない糞メールなのは確定だろう。だが、余りにしつこいのでメール本文をイジってみることに。
・本物の国税庁からも注意が
なお本件については本物の国税庁も、公式HPに8月26日付けで「緊急のお知らせ」を掲載。その手のメールは送信していない事等を記したPFDファイルで注意喚起を行っている。
恐らく私の元にメールが来たのと同じくらいの時期に、多くの人が同様のメールを受け取り、問い合わせがあったのではなかろうか。何にせよ、国税庁がオフィシャルに否定しているので、やはり詐欺で間違いない。
・プレステ96
それはともかく、せっかくなので詐欺メールとしてのクオリティを見てみよう。まずはこちらが、私の元にほぼ毎日送られてきている国税庁を語るメール7通。
これから実際にメールを開き、リンク等を踏んでみようと思う。私のスマホは色々とセキュリティ対策が万全ではないので、とりあえずPCで開くと……
_人人人人人人人_
> プレステ96 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
やべぇなオイ。2022年8月の段階だと、プレステはまだ5までしか出ていない。しかし、この”国税庁”のある世界線だと、すでに96まで出ているもよう。明らかに別のユニバースからのメールですね。
・インド
メール本文はこんな感じ。
なるほど? 滞納金がどうだの、差し押さえがどうだのと、詐欺あるあるな文面。滞納金は5万円だそうで、納付期限は8月29日らしい。今日じゃん。
そして「お支払いへ」として、それっぽいURLが。ちなみにこのURLのうち「https://www.nta.go.jp」までは、本物の国税庁のそれと一緒だ(本物の国税庁のHPには「tax-payment」で行きつくページは無い)。
それで信ぴょう性を上げる作戦だろう。しかし、この手の記述には、だいたい違う場所に転送されるようになっているもの。
リンクされているアドレスをコピーし、メモ帳にペーストしてみると……
はい、なんか変なの来た~~。
よく見てみるとこのドメイン、”.ind.in” で終わっている。”.in”はインドの国別コードトップレベルドメインだ。
そして”.ind.in”は、インドの個人用ということ。日本の国税庁がそんなの使うわけねぇだろ! と思ったが、そういやこのメールはプレステ96が出ているユニバースからのものだったな。
あちらでは、日本の国税庁をインドで個人が運営しているのかもしれない。行政による多重下請けが加速しまくった結果だろうか? 地獄だな。
・偽の国税庁のページへ
では、ちゃんと安全な環境で、このURLを踏んでみようと思う。すると「差押最終通知」をいう脅し文句。んん~こわいなぁ、ビビってお支払いしちゃいそう。
ということで「お支払いへ」の先へ。またしても別のURLに転送。こんどはメアドや電話番号、名前を入力するフォームが登場。
その下には、「お支払い方法の選択」として、電子マネー、クレカ、コンビニ、ネットバンキングがあるが、電子マネー以外は「※メンテナンスに伴うサービス一時停止となります」とのこと。
しかも電子マネーはVプリカしか使えない。ちなみにVプリカとは、VISA加盟店で使用できるプリペイドのクレカ的なものだ。
造りが雑ゥ! この感じなら、きっとフォームにも何を入力しようが、ろくにチェックもされないだろう。雑にアドレス、電話番号、名前を入力して先に進むことに。
そして出てくるのが、Vプリカの発行コードと額面を入力するページ。
ワンチャン、ここも何を入力しようと先に進めるのでは……と思ったのだが、「発行コード番号が一致しませんでした。もう一度お試しください123。」と出て駄目だった。
・雑
ということで、昨今増えてきている実に精巧な作りの数多の詐欺メールと比べると、まあまあ雑な仕様。支払いもVプリカ限定と、詐欺をするにはハードルを下げきれていない。ネット民であれば、まず騙される人はいないだろう。
とはいえメールの閲覧くらいでしかネットを使わないような超ライト層だと、もしかしたらやられてしまう可能性も無くはない。
身近にそういう方がいるなら、とりあえず「国税庁を語る詐欺メールが出回ってるってよ~」と教えてあげると良いだろう。